中国広州に来て一年が経ちました。
友達0、知り合い0、土地勘0。台湾で勉強した日常会話の中国語だけを頼りにスタートした広州ライフ。
今では友達も少しずつ増え、自分の住んでいる近くや観光スポットにも足を運ぶようになり少しずつ現地を理解しながら「生活」に慣れつつあります。
広州ライフがどんなのか改めて書くとして、今回はこの1年で1番のミラクルな出来事をご紹介したいと思います。
その経緯を今回はお届けしようと思います。
私は大学生の時に雑誌やファッションショーにモデルとして4年間活動していました。その時の経験を活かして「また中国でもモデルやってみたいな〜」なんて考えていました。
今年の3月頃にある一人の日本人男性と出会います。その方とは、炉端焼き響のお店のオーナー、大田修一さん。広州在住歴12年、今年で72歳を迎え、息子さんが広州でご活躍されている関係で、広州で住まわれるようになったそうです。
大田さんはとても好奇心が旺盛で明るく、とにかくバイタリティがあり、中国語ができなくても現地人やあらゆる人と交流をするのが大得意。人との出会い、ご縁を特に大切にされる方です。
メディアに出演歴もあり、取材を受けたり、以前はピンポンという映画に出演もされたそうです。監督曰く、大田さんのアドリブはとても自然で好評だったそう。
中国には、”wechat”という連絡ツールがあります。日本のLINEのような連絡ツールであり、また商業ツールでもあります。
wechatにはモーメンツという、日本のFacebook、Twitterをミックスしたような発信ツールが備え付けてあり、自分とお友達の人だけが見れるようになっています。
大田さんのモーメンツに私も何度か登場しており、監督が撮影で日本人女性を探している時に大田さんのモーメンツで私を発見し、そこからお声がけを頂きました。
中国社会では横の繋がりがいかに大事なのか実感しました。
事前に伝えられたのは、日時、場所、コマーシャルの撮影でセリフがある、浴衣を使うかもしれないので持参してくださいとだけ。どんな背景で、どんな役で、どんな風に振る舞うのか分からない状態でした。
前もって聞いても、きっと言葉の問題で理解しにくいかもしれないと思い、半分自分にサプライズの気持ちで現場に向かいました!(前日は興奮のあまりあまり寝れず)
16:00に現場についてすぐにお化粧と髪の毛のセット、衣装替えが始まります。
撮影現場は日立エレベーター様のコマーシャル。役柄は花を生ける日本人女性。日本人女性を起用したいという監督さんの思いがありました。
以前に一度日本でコマーシャル撮影したことがあるのですが、今回ははじめてのセリフ付き。また5年ぶりの撮影ということでとても緊張しました。
現場に入ると、そこにはおよそ40名ほどのスタッフ。全員中国人で中国語と広東語が交ざりあい、とても活気のある現場。一コマ一コマを丁寧に撮っていく。
照明さん、音声さん、映像カメラさん、写真カメラさん、指導さん、アシスタントさんと、それぞれ仕事が分かれているようでした。
もちろん、演技動作指導は全て中国語。「あぁ、中国語勉強していて本当に良かったなぁ」と思う瞬間でした。日本人でよかったなぁと日本を誇る気持ちも溢れ出てきました。
大田さんも応援に来て下さりずっと付き添ってくれていました。やはり一人での撮影は少し心細いというのが本音。一人日本人がいるだけでも安心するのは、海外生活をしている方あるあるなのではないでしょうか。
数秒しかスクリーンには映らないコマーシャルですが、その数秒のために5時間も時間をかけて作り上げていく事を今回初めて知りました。
あの数秒のコマーシャルにこんなにも時間をかけていたのか、と思うと映画やドラマは一体どれくらいの時間をかけて撮っているのだろう?と考えると頭がクラクラ、、、そしてまたスクリーンの中で活躍されている方に敬意を示したくなります。
20:30過ぎに全てのシーンを撮り終えました。爽快な疲労感を感じながら、監督Tonyさん、大田さんと3人で打ち上げへ。無事に撮り終えたこと、そして出会いに乾杯です。監督さんからはお褒めの言葉を頂きました。
今回の撮影で、もっと演技を勉強したいと思いました!監督さんに相談して今後また機会があれば演技をご指導頂けるとのこと。
海外には、日本ではできなかったことや、出会わなかった人と出会うチャンス、できるチャンスがあると実感した1日でした!
さてさて、今後はどんな展開になっていくのでしょうか!明日も笑顔でニーハオ!
Written by MOKO(中国)