読者の皆様、遅ればせながら明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
約4ヶ月間ぶりのコラム執筆になります。この4ヶ月間私は中国国内を飛び回りながら、次の撮影に向けて下準備や自己学習に励んでいました。
コロナウイルスが始まって約2年になりますが、皆さんの生活にも少なからず影響があったのではないでしょうか?
私の住む中国では地域によって、その時の状況や場合により警戒レベルも対策方法もコロコロ変わるのが現状です。広州の中でも地区により警戒レベル1の時もあれば10の時もあり、差が激しいです。
上の写真は先日、広州から青島へ飛行機に乗る搭乗の様子です。青島側の要求が48時間以内の核酸検査を受け陰性であること、健康コード表示が緑色であることを条件にしていました。
健康コードとはコロナ発生当初から作成されているQRコードの事で、赤黄緑の3色に色分けされています。
緑色:正常、問題なし。黄色:コロナ発生地域に近づいた可能性があり要注意。赤色:コロナ発生地域にいた、感染者を示すと言われています。
搭乗時一人一人入念にチェックをします。もし上記の条件を満たしていない場合は搭乗拒否されます。この写真の右側にいる女性は核酸検査の結果がまだ反映されていなかったので足止めを食らっていました。
左:健康コードアプリの画面、右:4日目再検査の様子、子供も並んでいます
特に外国人の私たちは警戒されているなと感じます。この搭乗口に着くまでの間に何人ものスタッフに「いつから中国にいるの?日本には帰ってないよね?核酸検査見せて」と尋ねられました。
以前は外国人というだけで警戒されている事がすごく不愉快でしたが、今では私も言い慣れたもので、「もう2年も故郷に帰れてなくて寂しいよ!」と冗談混じりにスラスラと答えられるようになりました。
2年前コロナ発生当時を綴った1回目のコラム「中国は本当にコロナ収束したのか?広州在住者が見る新型コロナの現状」を見返してみると、当時同じマンションに感染者が出ただけでもゾッとしていましたが、現在はコロナがある生活に私自身も慣れてきたんだなぁとつくづく感じます。
また慣れてきただけではなく、中国のコロナに対する徹底した対応スピードに驚きを隠せません。実は最近2年前と全く同じように、同マンション別棟でコロナウイルス感染者が出ました。
その日はちょうど、外食に行くため夕方6時ごろ家を出ました。マンションへ戻ると、なんと!マンション前の道路からバリケードが張られ、一方通行に規制し、車と人とバイクとが渋滞し物々しい空気が流れていました。
マンションに着いたのが8時頃だったので、このたったの2時間で辺りが様変わりし、封鎖が始まってしまったのです。警察官のおじさんは「マンションに入れても出られへんからよう考えや!」と忙しなく教えてくれたのでした。
現在は通常に戻り、子供たちが元気に遊んでいます
上記でお伝えした緑色の健康コードとマスクは、今現在も外出時の必需品です。健康コードの色が赤や黄色に変わってしまうと外出できなくなる恐れがあるため、何がどうなっているのか分かりませんでしたが、とっさに別の地区へ避難することにしました。
次の日、ニュースを見てみると、中国入国後に隔離するホテルの従業員に陽性反応が出たらしく、陽性反応者は自分が陽性反応だと知ってか知らずか出歩いてしまったそうです。その出歩いた場所に私たちのマンションが入っていたのでした。
中国では陽性反応者や感染者が出た場合にその人物の姓、年齢、職業もしくはどういったルートで感染したのか、出歩いた物件名、住所、日時を事細かく提示します。
提示後は物件の消毒の有無、封鎖状況、核酸検査情報をタイムリーに更新します。また該当地域に住む人々は地区の決まりに従い核酸検査を受けなければなりませんが、この場合の費用は政府が負担するため無料です。
また、地区の決まりに万が一従わなかった場合には罰せられる対象になる為、情報と自分の行動には注意が必要です。
3日後には地区周辺129,480人分の核酸検査の採取が完了し、問題ないと発表が出されました。たった3日間で、この数を叩き出す中国の徹底ぶりがすごい!と驚きました。
4日目には封鎖も解除されて、私も無事に家に帰ることができ、ホッとしました。
ショッピングモールの新年オブジェ。スケートリンク場にも人が戻ってきた
世界で今一番安全なのは中国だよと皆、胸を張って話します。
私は急に封鎖をする所はちょっとやり過ぎと思うのですが、「コロナを食い止めるぞ!!」という意気込みは中国だからこそなせる技だと思います。
2月1日に新年を迎える中国は少しずつお正月ムードが漂っています。
近くのショッピングモールには新年を迎えるオブジェが出現し、一階に設置されたスケートリンク場では親子やカップルの姿が見え、マスクをしていることを除けば通常と変わらない賑わいです。今年も一年笑顔でニーハオ!
Written by 古川智子(中国)