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海外で彼の母親と同居したら一体どうなった!?新しい家族のカタチ

2024年4月26日
宮下なみ子 (ジョージア)

ジョージア・バグラッティ大聖堂前で家族写真

シングルマザーから、海外でステップファミリーに

გამარჯობა !!(ガマルジョバ!)こんにちは、ジョージア在住のナミです。今回は私の『家族』についてご紹介します。

私は二人の娘を持つシングルマザーで、海外移住を目指す過程で今のパートナーと出会い、ジョージア移住をきっかけに一緒に暮らし始めました。

細かい経緯は割愛しますが、「私が生活費を出す代わりに、英語の対応や日常の料理は彼が行う」というパートナーシップでスタートしました。

「そんなのお金目当て!別れた方がいいよ!」と忠告してくれる女友達もいるのですが、日本でよくある「夫(男)が稼いで妻(女)が生活サポート」という関係の性別が逆転しただけの話なので、何も問題ないと私は思っています。

そんな私たちですが、実は1年前から新しい家族が増えています。こういう書き方をすると「子供ができた?」と思われるかもしれません。

そうではなく、なんと彼の母親と一緒に暮らしています。さすがにこれは珍しい家族の形じゃないかなと我ながら思います。

彼女は63歳の時、還暦を過ぎてから海外移住に挑戦しました!「嫁&姑」に近い関係ですが、それよりもシェアメイトという感じであり、「女手一つ・自分のスキルで子供2人を育てた先輩と後輩」という存在です。

「年齢に囚われず挑戦し続けるカッコいい女性!」というのも大きいです。

 

「おいしい」はすべてを解決する

山口県岩国にあった古民家パン屋さん。メディアにも多数掲載される人気店でしたが、海外移住の道を選びました

私たちが住んでいる家には空き部屋があったので、そこに彼女が住むことに。そして彼女が増えても「私が生活費担当、お金稼ぎ担当」は変わっていません。

でも生活の質は爆上がりしました!彼女はパン職人なだけあって、食にこだわりがあり、料理上手。担当の夕食は絶品で、毎日幸せな生活に!美味しいは正義。

彼女が居ようが居まいが、家の家賃は変わりません。つまり食費が少し上がった程度で、夕食がめちゃくちゃ豪華になり、リモートの仕事が増えてきた彼の負担も減り、日々の買い物や洗濯まで担ってくれるようになりました。感謝しかありません。

彼女は彼女で、実費の負担なく海外生活に挑戦でき、小麦の起源があると言われているジョージアでパンを作れて、かつ作っても作ってもどんどん食べる大食いの私たちがいるので食べ物の消費に困りません。最近は麹に挑戦し、ドブロクも作っています。

彼も移住当初から「いつか母とサンセバスチャン(スペインの美食の街)でバル巡りしたい」と言っていましたが、その夢を叶え、年に2回は親子でスペイン美食旅に出ています。ジョージアからだと航空券往復2万円で実現できます。

パン職人でシングルマザーである彼の母は、育児期間中はほぼ家を不在にしていましたが、還暦を超えた今、日本から遠く離れたジョージアで親子の時間を取り戻しています。

子供達にとっても彼女の存在は大きいのは言うまでもなく、次女はお菓子作りに目覚め、長女は彼女とともに外国語学習アプリにハマって、英語スコアを伸ばし合っています。
 

人間関係がうまくいくキーワードとは?

野良犬からホテル犬への転身を果たしたシンデレラドッグ

私の前の結婚では元夫が高収入なのもあり、日本の標準的な形の「男が仕事をして、女が家を守る」という役割分担でした。

私が家事を楽しめて専業主婦志望だったら良い関係を築けたのでしょうが、私は家事が苦痛でした。仕事は楽しんでいましたが、私が仕事をしても感謝はされません。

「私の仕事はあくまで遊び。なんなら私の我儘で仕事をさせてもらっている」という関係なので、好きなだけ仕事に没頭できる元夫に対し、私は感謝どころか妬んだり劣等感に苛まれたりしました。

こんな関係が上手く行くはずもなく、離婚に至りました。離婚になるかどうかはともかく、感謝できない関係で苦しんでいる人、自分とマッチしない役割を「女だから」と担っている女性は多いのではないでしょうか。

「日本では『お金』がとても偉大な存在で、お金を持ってる人はすごい、だからお金を稼げる人は偉い」みたいな価値観が土台にありますが、海外や特にジョージアのような不便さがまだ残る国では、お金を持っていても意味を成さない場合があります。

例えば食事。日本人に合う、美味しくて健康的な食事はお金では買えません。

暮らす上での交渉や旅や人生の計画も、日本では「高校→大学→就職…」とある程度決まったレールがありますが、レールから外れた生き方を選んだ私たちは自分で未来を設計しなくてはいけません。これらもお金では解決できません。

私は仕事をするのが好き。彼は旅の計画を考えたり調べたりするのが好き。彼の母は美味しいものを作るのが好き。

3人の好きなものが歯車のように機能する理想的な関係が生まれました。この歯車の動力は「好きなこと」、潤滑油は「感謝」です。

 

日本の家族の形はグローバルスタンダードではない

ジョージアの大統領 サロメ・ズラビシュヴィリ

海外で暮らしていると、日本の男女格差の大きさを実感します。日本では先進国の中でも男女格差のスコアは最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低いです。

世界経済フォーラム(World Economic Forum)が発表した最新の「Global Gender Gap Reprt 2023」では、日本の順位は146か国中125位でした。

一方、ジョージアは76位。146か国の中なので、ちょうど中間くらいです。とても高いわけではありませんが、それでも日本と比べると、女性がずっとのびのびしています。

まずジョージアの大統領は女性ですし、学校の先生や校長などもほぼ女性。一方、警官はほぼ男性。性別で選んでいるというよりは、その人が向いているからという理由で選ばれている印象です。

働く女性もいれば、家庭に入る女性もいる。男性も同じで、仕事に向いてる人は働くし、向いていない人は家で過ごしています。母が他の国に出稼ぎに行ってる家庭も珍しくありません。

「女はこうあるべし、男はかくあるべし」が未だに強い日本。こういう日本の風潮が苦しいからと、海外移住の道を選ぶ日本人家族も少なくありません。

人の目を気にせずのびのびと自分たちのスタイルを選べるのも海外移住の良さではないかと思います。それではまた、次回のコラムをお楽しみに!ნახვამდის(ナッホァンディス/さよなら! )

Written by 宮下なみ子(ジョージア)

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