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預けた金額の20%をカナダ政府が上乗せ!?子供の教育貯蓄制度「RESP」

2022年2月2日
矢寺愛 (カナダ)

知らなきゃ損!RESPって一体どんな口座?

皆さんこんにちは。Living Like a LocalのAiです。

カナダに移住してすぐ、取引先の銀行の方におすすめされたのが、子供の教育費の貯蓄制度のRESPの口座の開設。

RESPとは「Registered Education Savings Plan」の略で、子供のための資金積み立ての為の特別な預金口座です。

カナダの教育は公立高校までは無料で通うことができますが、高校卒業後の大学や専門学校の費用は、日本と同様に費用がかかるので計画的にお金を貯めておかねばなりません。

日本人の多くの親御さんは、子どもが生まれた時から教育資金の積み立てに熱心な家庭が多く見られますよね。

一方、私の周りのカナディアンをみてみると、子どもたちの誕生日やクリスマスには高額なプレゼントを渡しているのに、高校卒業後はバイトでお金を貯めてから大学に進学しなさい、という家庭が多く見られます。

カナダ政府から援助してもらえる教育貯蓄口座があるのに、存在すら知らない家庭もあるとか。

大学に通っている間は、利子が免除される学生ローンもありますが、卒業後の返済に子供に苦労をかけたくないのが親心。

カナダ政府が「貯蓄した分の20%援助しますよ。だからお子さんの為に計画的に教育資金を貯めましょうね」とは、なんとも太っ腹な制度だと思いませんか!?

 

投資口座として運用可能?!

RESPは普通預金口座と違って、具体的にどのような特徴があるのでしょうか?

カナダ政府からの上乗せできる金額は、年間で500ドル、合計で7,200ドルまでという上限があります。

毎年500ドル分のカナダ政府からGrant(助成金)を受け取る為には、2,500ドルを貯蓄講座に預ける必要があります。

もちろん、2,500ドルを毎月約208ドルずつ、分割に貯蓄することも可能です。

経済的に厳しい方も、例えば年間1,000ドルを預ければ、その20%の200ドル分を政府から助成金を受け取ることが可能です。

おすすめは、RESP口座をMutal Fund(投資信託)として利用することです。

お子さんの為に長期に渡って教育資金を積立するので、運用して資金をさらに増やすことができます。

万が一高校卒業後、大学などに進学しなかった場合は、兄弟に使うこともできます。

 

引き出しする場合の条件は?

カナダに移住して5年目になる我が家は、次男が昨年9月から大学に進学した為、これまで5年間積み立てていたRESPを引き出す事にしました。

引き出す為に必要な書類は、進学先の入学証明書のみ。なんとも簡単ですよね。

カナダ国外の大学などに進学した場合も認められるため、日本の大学進学を目標にしている方も安心して引き出すことができます。

引き出したお金は、学費に必ずしも充てなければいけないわけではないのが驚き。教育関連で使用するためのお金であれば何に使ってもよいということなので、パソコン、交通費、家賃などに使用することができます。

レシートを提出する必要もないので正直、何に使用してもよいという点はカナダならではのアバウトさ。なんとも嬉しい限り。

ちなみに、我が家がRESP口座を5年間、満額で積み立てていた内訳は、

親が貯蓄した額(非課税);2,500ドル×5(年間)=12,500ドル
政府からの助成金(課税);500ドル ×5(年間)=2,500ドル
Mutual Fund(投資信託)での5年間の運用益(課税);約3,100ドル

親が積み立てしてきた拠出金は非課税となり、親の普通口座に入金されます。そして政府からの助成金と、投資信託運用益はお子さんの口座に入金され、課税がされる事になります。

ただし、RESP引き出し時は高校卒業後で、お子さんが大きな所得を得ていることはほとんどないので、課税の心配はあまりしなくてもよいでしょう。

日本より利回りが良いカナダでの投資。早くも18歳の息子が、アメリカやカナダの投資について興味を持ち始めています。

最近では、銀行などの大手金融機関を使わなくても手数料も少なく、スマートフォンで気軽に取引ができるので、今回引き出したRESPのお金を何かしら運用しようかと、模索中の私です。

Written by 矢寺愛(カナダ)

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