マレーシアの中華系に根付いた昔からのカフェ、コピティアム。その150年続く歴史については、以前「150年以上の歴史!マレーシアのローカルカフェ、コピティアム文化」という記事で書きました。
マレーシア語でコーヒーを意味する「コピ」と、福建語で店を意味する「ティアム」の2つの単語からできている言葉「コピティアム」。
香港やマカオだとチャーチャンティンのような位置付け。日本だと昔ながらの喫茶店でしょうか。
屋台のようなオープンカフェスタイルもありますが、最近は、クーラー完備の小綺麗な店で、快適に「伝統を再発見」というような店も増えています。
屋台スタイルが最も手頃なカフェで、西洋風おしゃれカフェが高級店だとすると、このようなクーラーのあるコピティアムはその中間くらい。
コーヒーの価格も、屋台スタイル60円、中間150円、高級300円という感じ。
「カヤバタートースト」は、ココナッツミルクから作ったカスタードクリームのようなやさしい甘さのカヤジャムとバターを挟んだトースト。半熟卵をくずして、トーストをつける食べ方がスタンダード。
マレーシアの国民的料理の「ナシレマ」は、ココナッツミルクで炊いたご飯に甘辛いサンバル、キュウリ、ピーナッツ、カリカリ小魚、ゆで卵添え。
これだけのものが最もお手軽ですが、フライドチキンや「チキンレンダン(甘辛カレー煮込み)」を添えていただくのも人気。
「ミーシャム」は、炒めたビーフン。こちらもサンバルが添えられていたり、スパイシーな味付けが一般的。
添えられているこの笹の葉は「オタオタ」といって、中に辛い味付けの魚のすり身が入ったスパイシーなはんぺんのようなものです。炭火で焼かれ、通常1本30円くらいで売っています。
蒸しパンにオタオタを挟んだパンは、お店のオリジナル。
麺類で定番は、カレーヌードルのような味の「ラクサ」、海老の出汁が濃厚な「プローンミー」、生の玉ねぎときゅうりがトッピングされたものは「アッサムラクサ」と言って、鰯の缶詰が入った辛酸っぱいスープ麺。
ナシレマやミーシャム、カヤバタートーストは、マレーシアのどの国民にとっても定番の朝ごはんですが、マレー系、中華系、インド系のそれぞれの店で、定番のメニュー構成は少しずつ異なります。
コピティアムはどちらかというと客層のほとんどは中華系。
このお店ならではのメニューは、海老の入ったチーズスープビーフンと、「ロジャッ」。
ロジャッというのは、カットしたフルーツやきゅうりに、海老味噌とタマリンドと甘醤油や砂糖のタレを絡め、ピーナツの粉をかけた独特のサラダやおやつとして食べられている料理。日本にはない味で、好みが分かれるところです。
マレーシアではとにかく料理のバラエティが豊富。私たち日本人にもなじみのある中華風の料理や西洋料理、食べても食べても材料を言い当てられないような独特の味付けのマレー料理、バラエティ豊富な麺や小麦料理など。
再発見の味に出会うことも多いので、ぜひいろいろな味を試して欲しいです。
【長城發咖啡 MY Vintage Cafe】
Address: 26, Jalan Austin Height 3/2, Taman Mount Austin(Sunway Collegeの前)
Tel: 019-525-0235
Opening hours: 7am-7pm
Off day: Friday(every 2weeks)
Written by 土屋 芳子(マレーシア)