Xin chào! ベトナム・ホーチミン市在住のYayoiです。今月のコラムはベトナムの干支についてお話ししたいと思います。
日本では今年2023年の干支は卯(うさぎ)ですが、ベトナムではなんと「猫」なのです!
今月のコラムを書くにあたってネットで調べてみたところ、「干支」の概念のある国は中国をはじめ、その文化の影響を大きく受けている日本、台湾、韓国、ベトナム、シンガポールなどアジアの国々だけでなく、遠くはなんとロシアやブルガリアなどの東欧の国々、さらにはアラブ地域にまで及んでいました。
そのなかで、ベトナム、タイ、チベット、ベラルーシ、ブルガリアに猫年が存在し、ベトナム、タイ、チベット、ベラルーシでは「卯年」が「猫年」に、ブルガリアでは「寅年」が「猫年」に置き換えられているそうです。
では、なぜベトナムではウサギではなく、猫が干支として採用されているのでしょうか。
これには諸説あるようですが、まずウサギよりも猫の方がベトナムの古くからの生活に身近な動物だったことが挙げられています。
伝統的に稲作などの農業が盛んなベトナムで、収穫した米を食べてしまうネズミを追い払ってくれる存在は猫でした。
他にも、ウサギの中国語の発音mão(マオ)がベトナム語の「猫」mèo(メオ)の発音に近いからという説もあります。
左上:フラワーロードの猫の一部。他にも色々な猫がいました。右上:有名なチョコ屋さんの猫年限定チョコ、下3枚:猫年限定切手(※ベトナム切手会社HPより)
ちなみに、ベトナムの干支には、他にも置き換えられている動物たちがいます。
ご存知のように、日本の干支(十二支)は、順番に子(ねずみ)、丑(うし)、寅(とら)、卯(うさぎ)、辰(たつ)、巳(み へび)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(いのしし) となっています。
これがベトナムだと、卯(うさぎ)が「猫」であるだけでなく、丑(うし)は「水牛」、未(ひつじ)は「山羊」、亥(い いのしし)は「豚」に置き換えられます。
この置き換えられた動物たちは、どれもベトナムの古くからの生活に身近だった動物たちです。
ちなみに、亥(いのしし)は日本だけで、諸外国の干支では豚だそうです。
干支は日本だけでなく、他の国々にも幅広く普及していますが、国によって違う動物が採用されているのは面白いですよね。
ホーチミンで一番大きな本屋さんには「招き猫コーナー」が
ベトナムでは猫年は運に恵まれ、物事が順調に進んでいく年回りだそうです。
ですが、干支の概念はあるものの、特別に何かをするということはないように思います。
しいて言うなら、日本と同じようにその年の干支の置物が飾られたり、「私は〇年、あなたは〇年なのね」という会話をしたりする程度です。
ビジネスの側面から話すと、その年限定の干支グッズを販売したりするお店もあります。
他にも、ホーチミン市の旧正月期間の毎年恒例イベント、グエンフエ通りという歩行者天国で開催されるフラワーロードでは、様々な猫たちが沢山のお花とともに市民を迎えてくれました。
最後にこれは余談ですが、猫年の話をすると、日本や外国に住む猫好きな友人たちからかなり羨ましがられました。
次の猫年は12年後になるので、猫年を経験できた私はラッキーなのかも知れません(笑)。
Written by 平良弥生(ベトナム)