MENU

35歳で未経験正社員は無謀?!入社後の苦労と転勤族妻の「続けられない」問題 

2021年10月9日
宇佐美美和子 (チリ)

30代で未経験入社、想定外の大変さに疲労困憊

私は30歳の時に、夫のアルジェリア駐在に3年間同行しました。日本への本帰国後に再就職したのは、前職の「広告・営業」とは真逆の「金融・バックオフィス」の仕事でした。

前回のコラムでは、未経験で入社するまでの話をお伝えしましたが、今回は入社後の苦労や、今振り返って思うことなどをお伝えしたいと思います。

私の再就職は、業種も職種も違うキャリアチェンジ。入社するまでは「仕事に就けるか」ということが気になっていましたが、実際は入社してからの方が大変でした。

入って一番びっくりしたのは、取るべき資格の多さです。私のポジションですと、10個以上の資格試験に合格していないといけない状態でした。

リストには、「銀行業務検定」をはじめとした金融系科目やTOEIC、「基本情報技術者試験」等のIT系資格などがあり、その中からレベル群やキャリアコースに応じて選択する方式でした。

多くは社内での昇格要件として必要なので、難易度自体はさほど高くないものの、何もしないで受かるほど簡単ではないレベル。

中途入社の場合、1〜2年で目処をつけるように言われていたので、試験が終わったと思ったらまた次の試験という感じで、入社してしばらくは勉強ばかりしていた記憶があります。

 

マネジメント力が求められる30代の転職

はじめの頃辛かったのは、入社してわりとすぐ役職がついたため、多くの周りの社員よりも立場やお給料が上の状態だったことです。

もちろん面接の段階でポジションの話もして入社するので、自分で望んだことでしたし、ラッキーではありました。

ただ、実際に入社してその状況になると、業務の基礎知識や経験がほぼない中で、自分より経験が長い人の上に立つというのはかなりのプレッシャーでした。

30代の異業種・異職種転職で大変なポイントは、単に業務を知らないことではなく、その状態でマネジメント成果を出さなくてはいけない点だと感じます。

また、私の入った部署では、メインは日本のクライアントだったものの、海外の銀行・税務代理人とのコンタクトや海外出張の機会などもありました。

私は語学が苦手な上に非英語圏だったため、海外在住中にほとんど英語を勉強してきませんでした。

ドライバーさんとの会話や旅行の時は英語だったので、「最低限なんとなく分かる」レベルでしたが、仕事となるとなんとなくではダメで、「英語がちゃんとできたら、もっと仕事の質が上がるのに…」と何度も思いました。

どの国にいても、英語は少しずつでも常に勉強しておくべきだったと反省しています。逆に現地語だったフランス語やアラビア語は、日本に帰ってきてから「ちゃんと勉強しておけば…」と思うことはほぼなかったです。

入社したての頃は、平日は業務に必死、夜や週末は試験勉強と英語に必死、と日々忙しかった記憶があります。

ただ振り返ってみると、大変だったけど「意外になんとかなる!」というのが感想です。単に経験があるとか、できそうだからという観点で次のステップを選ばなくてよかったと思います。

毎日のように仕事で新しいことに出会ったり、新しい分野を勉強したりするのも、自分にとってはよい機会だったと感じています。

次のページ配偶者の転勤で、自分のキャリアが継続できない問題

1 2

この投稿をシェアする

イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ