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フィリピンはサステイナブル先進国?

2022年6月20日
中尾あゆみ (フィリピン)

世界一サステイナブル意識が高い国フィリピン

SDGsという単語も定着しつつある昨今。政府や企業単位の活動だけでなく、個人の消費スタイルにも影響を及ぼすほど、サステイナブルな生活は身近なものになっています。

特に日本に暮らしているとリサイクルなどは非常になじみが深く、他の国よりもやや先進的なのかなと思っていました。しかしながらそんなイメージを覆す興味深い調査を見つけたので紹介します。

電通・電通総研 サステナブル・ライフスタイル・レポート2021(2021/11/30)「サステナブル・ライフスタイル意識調査2021」

この調査は地球環境や社会に対する意識と行動、サステナビリティや未来に対する意識や生活・消費行動などについて、16カ国を対象に行った調査です。

さてなぜこの調査を取り上げたのかというと、環境に配慮した行動8項目中3項目がフィリピンが最も高く、2項目が2番目に高いという結果になっているからなんです。

これは従来のフィリピンのイメージを考えると意外なのではないでしょうか?この調査結果を、実際の体験とともに紹介しますね。

 

サステイナブルな買い物

まず最初に取り上げるのは「エコバッグを使用する(87.3%)」と「詰め替え商品を購入する(74.3%)」です。これら2項目は対象国の中でフィリピンが最も高い結果です。

この背景にはフィリピンのゴミ問題があります。

フィリピンにはプラスチックごみを処理する施設がありません。そのため家庭から出されるプラスチックごみは、そのまま海や山へ捨てられ環境問題の原因となっています。

これは日本の学校の教科書などでも写真で、なじみの深い情報でしょうか。

その対策として脱プラのための法規制が進みました。スーパーマーケットなどではレジ袋がもらえなくなり、家庭ごみでもプラスチック製容器よりも詰め替え用のパウチが捨てやすいという理由で消費者に選ばれているようです。

 

サステイナブルな外食体験

次に「マイボトルを持ち歩く(72.3%)」「レストランで余った食べ物を持ち帰る(60.7%)」についてです。これらはフィリピンが2番目に高い項目です。

フィリピンは常夏の国なので飲料を持ち歩く人が多いのはイメージ通りでしょうか。日本のように自動販売機がどこにでもあるわけではないのも、後押しをしている印象です。

また日本と同様、外食産業のプラスチック製のストローの使用が禁止されています。

興味深いのは「レストランで余った食べ物を持ち帰る(60.7%)」。フィリピンではレストランで大量の料理を注文をし、それを持ち帰るのがスタンダードなんです。どうやら家族のために家に持ち帰ることが前提で頼むそう。お土産?感覚なんでしょうか。

どのレストランでもお持ち帰りをお願いすると快く対応してくれます。持ち帰りという文化があったために、ロックダウンで全ての店内飲食が禁止された際にもスムーズにフードデリバリーに移行した印象です。

日本の「残さず食べる文化」とは対照的ですよね。どちらがサステイナブルなのかは少し疑問がありますが…

以上、フィリピンのサステイナブル意識事情でした。今回紹介した以外にもフィリピンではサステイナブルを後押しするスタートアップが活躍しているので、次回はその紹介をできればと思います。

Written by 中尾あゆみ(フィリピン)

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