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いい緊張は能力を2倍にする 樺沢紫苑著

2019年4月3日

覚えている記憶の中で 私の一番古い緊張体験は、中学2年の時に全校生徒の前でスピーチしたことだろうか。緊張のあまり、マイクがOFFになっていることにも気づかず話し始めた私。

前方で先生が送っている「マイクONにして!」の合図に全く気付かなかったため、実行委員の生徒がわざわざひな壇まで上がってきてマイクをONにしてくれた。

緊張に恥ずかしさも加わって、とにかく早く終わらせたい一心で一気に原稿を読み上げた。クラス担任からは「めちゃくちゃ早口だったわ~」という感想をもらった。そのあと、少し落ち込んだような気がする。

 

考えてみると、人生での緊張体験は結構な割合で存在する。

スポーツの試合、試験、発表会、1回目のデート、面接、プレゼン、人前での挨拶、初めてチャレンジするとき、、、

こんなに頻繁に緊張する機会があるのに、「掌に人という字を書いてのみこむ」「深呼吸」だけで乗り切ってきたな、私。

実力を出せたときも、そうでなかったときも両方あるけど、経験を重ねて徐々に勝率は高くなってきた(慣れてきた)かなと思えるぐらい。もしこの本に書かれていた内容を知っていたら、、緊張場面での勝率は格段に上がっていただろう。

「なんと!」「早く知りたかった~!!」と何度も声を上げながら一気に読んだ本書。ここに書いてある緊張コントロール法のいくつかだけでも、中学校の時にマスターしておきたかったわ、本当。

著者は、緊張は悪い事ではなく、集中力やパフォーマンスを高めてくれる「最大の味方」になることを脳科学の観点から教えてくれる。

そして緊張に対処する33個のコントロール方法は「現象」とその現象に関連する「脳内物質やその働き」が紐づけされているので、納得して実践できるものばかり。緊張をうまくコントロ―ルできるようになると、自分の実力を最大限発揮できるという。まさに、仕事と人生の成功法則である。

 

私が特に感銘を受けた方法を2つだけご紹介。

① 「For me」から「For You」へ視点を移す方法

緊張時の心理状態の一つに”自分をよく見せたい”がある。上手に話せるか、どんなふうに見られているかといった自分にフォーカスしてしまうと、緊張レベルは一層高まってしまう。しかし、視点を自分(For me)から相手(For You)へと移すことで緊張がなくなり、ポジティブな感情が沸き上がるという。

For You の視点になると、相手にわかるように話そう、相手を楽しませようという姿勢になる。アイコンタクトを使って相手を観察しようとする。そのときに、「大勢の人に見られている自分」から「自分が大勢の人を見ている」と能動的マインドになりパフォーマンスが良くなる。

② 感謝する

「感謝は魔法の言葉、感謝をするとツキを引き寄せる」などの言葉は、ネットで頻繁に目にする。それはなぜなのか、今いち理由が明確でなかったのだけれど。その答えがこの本にあった!

緊張状態も解放するというその正体は、セロトニン、ドーパミン、エンドルフィン、オキシトシンの4つの脳内物質。感謝をすることで、この4物質が出るからなんですって!それぞれの物質がどのように働くのかは、是非本書を読んでみてほしい。

精神科医の著者は、緊張をコントロールすることで「心と身体」がコントロールできるようになり、心と身体の健康が実現すると言う。

心と身体の健康こそ人が求める理想の状態であろう。「元気があれば何でもできる」アントニオ猪木のこの言葉は、年を重ねるほどに身に染みてくる。

この本に書かれているコントロール方法を身につけて、みんな、元気になろう!

Written by 周さと子(マカオ)

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