新型コロナの影響で家族が家にいてずっと慌ただしいし、外食にも行けなくて毎日の食事作りを少々負担に感じているという方におすすめしたいのが今回の本。
仕事が終わって帰宅して、19時から夕食を作り始めても、簡単なのに美味しくてお洒落なディナーが作れてしまうレシピ本である。
著者の行正り香さんは、広告代理店でCMプロデューサーとして活躍し、バリバリのキャリアウーマンの経歴を持つ料理研究家。
高校生の時にアメリカのカリフォルニアでホームステイをし、ホストファミリーの料理を担当したことがきっかけで、料理に興味を持つようになったという。彼女の著書からも、彼女の料理や食事に対する愛情がひしひしと伝わってくる。
行正さんのレシピ本に出てくる料理はとてもお洒落でおいしいのに、難しい手順や複雑な工程がほとんどない。
働いている女性たちができるだけ手間をかけずにおいしいものを作れるよう、シンプルだけど様々な工夫が凝らしてある。調理道具や調味料もとてもシンプル。
ここで、本書で紹介されている11のメニューを紹介したい。
1. チーズオムレツメニュー
2. 洋風炊き込みご飯メニュー
3. 冷凍干物メニュー
4. サラダメニュー
5. ガーリックリブのオーブン焼きメニュー
6. チキンカリカリソテーメニュー
7. 和風ビビンバメニュー
8. 失敗しないカルボナーラメニュー
9. 魚のガーリックソテーメニュー
10. 豆カレーメニュー
11. よし子のハンバーグメニュー
いかがだろう?献立を見ているだけで食べたくなってきてしまうのは、私だけではないと思う。
すべてに「メニュー」と付いているのは、1品のレシピでなく、必ずサラダやスープなどの添え物が付いているから。そう、この本は、30分でその日のおいしい夕食がコンプリートできてしまうのである。
タイムスケジュールまでしっかり書いてあるので、どのタイミングでどの作業をやるのかも分かりやすい。
読みながら、「本当に私にもできるの?」と半信半疑になってしまうが、いざ作り始めると意外にできてしまうのがびっくり。まだ全てのメニューを試した訳ではないが、材料が家にあり簡単そうなものから作ってみている。
また、この本には行正さんの書いたコラムの多く掲載されている。一つ一つのメニューと共に「楽しく料理を続ける11のコツ」が書かれており、行正さんの経験したことや考えていることが伝わってきて、「料理って楽じゃないけどいいな」と思わせてくれる。
料理は決して得意ではない私でも少し時間を多くかければ十分に再現できるし、得意な人には更にハックの詰まった調理が可能になること間違いない。
どんなに忙しくても、疲れていても、時間がなくても、やっぱり食事はとても大切。もちろん外食やデリバリーするのは簡単だけど、外食ばかりだとなぜか飽きてしまうし、栄養も偏りがち。やっぱり自炊が一番。
料理得意じゃないけど、自宅で簡単に作れてちゃんと美味しい献立が食べたいという欲張りさんにおすすめのレシピ本だ。
Written by 藤村ローズ(オランダ)