ジョホールバルで最も大きなイベントである中華系のお祭り、「チンゲイパレード」が今年も行われました。 神を祀った神輿と華やかな山車を引いて多くの人がパレードをするとても賑やかなお祭りです。
チンゲイとは、漢字だと「粧芸」と書きます。これは福建語の方言を語源とする造語で、衣装と仮装の技、芸術という意味があるそうです。
中国の神々や慈悲の女神(観音様)の生誕を祝うためにはじまったもので、毎年旧正月の21日目に開催され、神々を崇拝して共に楽しむものとして親しまれています。
このパレードはシンガポールでも行われているのですが、実はジョホールのチンゲイパレードは約150年もの長い間、戦争中でも中止することなく続いてきた長い歴史を持つイベントとして有名。 また、「神々の行進」といわれるほどの神聖な行事とされています。
中国からジョホール州に住み移った「客家」「潮州」「福建」「広東」「海南」の5つの中国部族集団がそれぞれの神の神輿を担ぎ、市内中心部の8Kmを行進します。 ライオンダンスやドラゴンダンスやたくさんの光を伴う山車の行列は、それはそれは華やかで賑やかです。
私は今年もチンゲイパレードを見に行ってきました。 メイン通りでは、ダンスや歌などの出し物は夜7時からはじまり、パレード隊がそこに到着するのは夜9時過ぎから12時くらいまで。
夕方早くからパレードが終了するまでは、周辺の道路がすべて交通止めになるので、気軽に行って気軽に帰ってくることはできません。 行くからには、最後までパレードを見て、夜中12時過ぎに帰宅というスケジュールになるので、長時間ひとごみの中に飛び込むのを覚悟で参加しなくては!
これまでの数回の体験で、私は効率よくチンゲイパレードを楽しむ方法を習得していました(笑)。 パレードが来るメイン通り沿いのホテルの部屋を予約しておくのです。子連れでもいつでも一休みできる体制は万全。
ですがホテルの部屋は高層階なので、上から見るパレードは全体を俯瞰して見ることができますが、迫力に欠ける。 それならばと、ほどよい高さにあるホテルのバーを予約して、そこでお酒などを飲みつつ、パレードの到着を待ちながら、人ごみを避けてゆったりと見物できたのでした。
一通り見終わった後には地上に降りて、近くからの迫力も楽しみます。 そして子供たちが疲れたころに、すぐ上の部屋に戻るという完璧なプランです。
パレードに参加する人たちは、チーム毎にお揃いのTシャツを着て歩きます。 そのTシャツには地元の商店の名などスポンサー名が記載。 神様を乗せた神輿が通りすぎるときには、掛け声とともに合掌した手を振りながら富の繁栄や健康をお祈りする人々。
所々から上がる花火。 見た目の華やかさと、音の賑やかさ、群衆の多さに圧倒されるお祭り。 ジョホールの王様も毎年いらっしゃって、VIP観覧席で見学されます。
そして今回1番の見せどころは、長い長いドラゴンの山車ではないでしょうか。
この時はホテルの27階の部屋から見ていたので、とにかく長い蛇だなと思っていたのですが、後で聞いたところこれはドラゴンで、76人がかりで動かしているそうです。 とにかく華やかな伝統的なお祭り「チンゲイパレード 」。 来年の旧正月21日目はぜひ予定に入れておいてくださいね。
Written by 土屋 芳子