中華料理のお馴染みといえば、餃子、小籠包、炒飯、麻婆豆腐、北京ダックなどが思い浮かぶと思いますが、中国家庭料理で欠かせないものといえば、「湯」。
「湯」と書いて、広東語で「トン」と読みます。
ずばり薬膳スープです。
牛、豚、トリ、魚などの動物性だしとなるものや、野菜などの植物性だしとなるものをベースとして、生薬や他の食材と合わせて長時間煮込むのが特徴。
生薬は、なつめ、くこのみ、白きくらげ、山芋、人参などがベーシックでしょうか。
「湯」=栄養満点という概念がありますので、家庭でよく作られます。
レストランでもメニューにあります。
定食にもついてきますし、日本で言うところの味噌汁と同じ役どころでしょうか。
うちでも、毎夕食に「湯」が出ます。
たまに夫自ら「オリジナル湯」 を作ってくれることも。
街には薬膳スープ専門店もあり、体調に応じてスープを選ぶことができます。
ただ、基本的にスープだけ飲んで具材は一緒に食べないので、「湯」を食べる時はお気を付けください。
でも、おなかも満たされる薬膳スープメニューがあるんです!
私の大好物のローカルフード、「鶏湯米(ガイトンマイ)」。
鶏ベースの薬膳スープに鶏肉とビーフン、冬瓜、きくらげ、なつめ、くこのみ、パクチーが盛りだくさんで入っています。
「鶏湯米」の「米」は、「米線(マイシン)」という米粉でできた麺のこと。
いわゆるビーフン。
ビーフンを他の麺(卵麺、出前一丁、マカロニなど)に変更することもできます。
鶏のだしがよく出ている濃いスープは、じわ~っと染み入る美味しさです。
ほのかな薬膳のにおいに、体にいいもの食べてる感が増します。
冬瓜がとろとろでまたいいんです。
「鶏湯米」は、「茶餐廳(チャーチャーンテーン)」と呼ばれるいわゆる大衆食堂みたいなところで食べられます。
お値段は500円程。
私は、朝ごはんや小腹がすいた午後に、よく食べにいきます。
お持ち帰りもオッケー。
そのときは麺とスープを分けてくれるので、伸びる心配がないんです。
ちなみに鶏肉は骨付きです。
中華圏では一般的な骨付き肉。
ちょっと食べにくいんですけど、骨の周りが一番おいしいからわざわざ骨付きにしているそうですよ。
私が良く行くお店は、「榮暉咖啡美食(ウェンワン・カフェ・メイセッ)」。
近くにもう一つの店舗があり、本店はそちらなのですが、私はこの「司打口(シーダーハウ)」店がお気に入り。
というのも、2件隣にベトナムサンドイッチ、「バインミー」の美味しいお店があるから。
ここで、鶏湯米を食べてから、バインミーを買って帰るのが定番コースです。
食いしん坊万歳!
茶餐廳は、1000円以下のメニューが豊富で、店内はローカル客でいつも賑わっています。。
マカオに来たら、ぜひローカルグルメもお試しくださいね。
榮暉咖啡美食
十月初五街店(本店)
十月初五街54號地下 澳門柯邦迪前地
司打口店
司打口21號地下
營業時間:07:00~21:30
Written by 周さと子