2019年1月21日に、「Thaipusam (タイプーサム)」というヒンドゥー教のお祭りがありました。
このお祭りが、過激すぎてヒンドゥー教発祥のインドでさえ禁止されているというほど凄まじいんです。
まさに奇祭と言っても過言ではありません。
あまりにもすごくてちょっと引いてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、日本ではまずあり得ない光景ですし、現在では本場インドですら見ることのできない「タイプーサム」。
マレーシアでは今日でも毎年開催されています。
この貴重な異文化体験について書いてみたいと思います。
最後までお付き合いいただけたら幸いです。
「タイプーサム」は、今では主にシンガポールとマレーシアで行われており、国の祝日ともなっています。
タミル暦の1月と2月の満月の日に行われるため、毎年日程が変わります。
今年は1月21日で、偶然ですが「スーパーブラッディームーン」と同じ日でしたね。(残念ながらマレーシアからは見ることができませんでしたが)
ヒンズー教の主教シヴァ神の息子ムルガン神が、母である女神パールヴァティから無敵の槍を与えられ、魔王を倒した日を祝うお祭りだとされています。
そのため、別名「The Morgan Festivalムルガン祭」とも呼ばれているようです。
クアラルンプール郊外のBatu Caves(バトゥーケイブ)というお寺はマレーシア随一のヒンドゥー教の聖地の洞窟とされており、このムルガンも祀られています。
毎年この時期には100万人以上もの人が集まるとか。
タイプーサムでは敬虔なヒンズー教徒が苦行をすることで、神々への感謝を表すとされています。
参加者はタイプーサムの数ヶ月前から準備をして、当日の行進に臨みます。
1ヶ月前から肉類を食べるのを完全に断って完全なベジタリアン生活をし、体を清めて当日を迎えるのです。
Photo by Motoko Miyawaki
賑やかなドラムや歌とともに寺院までの何キロもの道のりを行進していくのですが、その時の姿に驚き。
顔に串が刺さっています!!
口や舌に串刺しをしたり、皮膚に直接フックの鍵をひっかけてカバディという神輿を背負ったり、まさに苦行の行進。
身体的負担を負うことにより犠牲を捧げ、それで救われるとのことだそう。
もちろん麻酔などは一切使わないそうです。
参加者が痛みに耐えつつ精神を統一させて行進している姿を見ると、その取り巻く雰囲気に圧倒されますが、神聖な気持ちにもなります。
トランス状態になる人を見ることもあり、その姿には言葉で表せないほどの驚きと畏敬の念を呼び起こされました。
写真でも十分に痛さは伝わってくると思うのですが、その臨場感や凄さはやはり実物を見ないことには分からないかもしれません。
ジョホールバルでも市内のインド寺院でこのお祭りを見ることができます。
まさに奇祭。貴重な異文化体験。
この時期にシンガポールやジョホールバルに来られることがあったら、ぜひ見に行ってみてほしいと思います。
グーグル検索でもっとすごい写真や動画も出てくるので、興味のある方は調べてみてくださいね。
Written by 土屋芳子