マカオといえばカジノが一大産業。2018年の賭博業種の総収入は3028億パタカ(約4兆円)で、一家に一人はカジノ関連の仕事をしていると言われています。
カジノと一言で言っても様々な部門が存在するわけですが、今回はマカオのカジノのインターナショナルマーケティング部日本人VIP担当として働く佐知子さん(仮名、以下省略)です。
会社のコンプライアントのために実名やお顔を出せないのが残念ですが、エレガントな佇まいが素敵な佐知子さんにお仕事の話を伺ってきました。
周:本日はどうぞよろしくお願いします!早速ですが、佐知子さんがマカオに来られてから、現職に就かれるまでの経緯をお伺いしてもいいですか?
佐知子さん:学生時代に2年間カナダに留学をしていまして、そこで出会った主人との結婚がきっかけでマカオへ来ました。最初の頃は広東語も何もわからないので、マカオの暮らしに慣れるために現地の日本語学校で日本語を教えたり、IFT旅遊学院でガイドライセンスを取得しました。
周:へぇ!ガイドのライセンスもお持ちなんですね。それからカジノへ転職ですか?
佐知子さん:いえ、言葉も少し慣れてきたので、マカオの商社に5年間勤めました。中国への出張も多く、その時に言葉や中国文化への理解が深まりました。今思うと本当に良い経験でした。
2011年にVIP中国チームで働いている友人から、日本チームが人を探していると声をかけてもらい、しばらくして現地のマカオ新聞での求人募集をみかけたので応募し、現在に至っています。
周:では、現在9年目でいらっしゃるんですね。お仕事内容を教えてください。
佐知子さん:ホテル直営カジノのVIPクラブで、日本から来られるお客様対応を担当しています。送迎手配、ご滞在中のレストランやショーの手配、カジノのご案内などお客様に合わせたサポートをするコンシェルジュ業務を日本人スタッフチームで一貫して行なっています。
周:フェリーターミナルや空港のArrivalホールでカジノスタッフの方がお迎えに来ていますよね、あれはVIPの方達のお迎えですよね?
佐知子さん:はい、「Welcomeサービス」ですね。お客様をお出迎えして車まで案内してくれるスタッフです。
周:お客様の滞在中は、結構呼ばれるんですか?
佐知子さん:そうですね。館内をご案内したりお食事をご一緒する機会もあります。最近はアプリの館内地図を使ってご案内するので便利に感じています。
周:VIPのお客様はお1人が多いのですか?それともグループ?
佐知子さん:お一人の方も多いんですが、グループで観光を兼ねて来られる方もいます。お客様が多い時期は祝日の3連休や、お正月、お盆などの繁忙期、そのほかにコンサートやイベントがある時も、カジノがお声かけをするので普段よりも人数は増えます。
周:たしかにマカオは世界規模の有名人コンサートやイベントが多いですよね。そこがマカオのエンターテイメントの魅力でもありますし!
(次ページへ続く)
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