日本→中国→香港→マカオ→マレーシア→オランダと住んできた私。オランダに住むようになってから、その社会整備の充実ぶりと合理性には、驚くやら感心するやら。郵便は日々お世話になるので、安心感を感じます。
まず何より驚くのは、早くて確実なこと。オランダ国内であれば、基本的に翌日着です。日本の九州と同じくらいの小さな国であることや、欧州最大の港ロッテルダムを持ち、欧州物流のハブとなっているオランダだからかもしれません。
日本から送る場合は、郵便局のサイトによると、EMS(国際スピード郵便)を使ってなんと2日!!日本―オランダ間の距離は9000km以上、直行便でも約12時間かかることを考えるとすごい事ですよね。
ただしこれは東京から配達に要する標準の日数。地方からの国内輸送分や間に土・日・休日が含まれる場合、航空機の遅延・欠航が発生した場合などは、さらに日数がかかることもあるとのことなのでお気を付けください。
また、追跡付きで発送された場合は「何時何分に到着済み」まで確認できるのですが、その時に受け取った人のサインまで見られるのも驚きです。ほとんど読めませんが、誰でも押せる印鑑よりなんとなく安心感があります。
実際に先日お客様に日本から書類を送付していただいたのですが、週末を挟んでも3日目か4日目には目的地のオランダの住所に到着していました。大切な書類だったので本当に助かりました。ビジネスをする上でもこの安心感はなかなか重要です。
通常のエアメールでもだいたい1週間以内に届いている感覚。ちなみに、オランダから日本に送る場合は4〜7日、Express serviceを使うと3日とのこと。アジアに住んでいた時より紛失の心配が減った分、少しだけ筆まめになった気がします。
オランダの郵便局のアプリ「PostNL-app」がとても便利です。この無料アプリを入れていれば、荷物の追跡はもちろん、配達記録、発送する際の金額確認、切手の購入などが行えます。
私もまだまだ使いこなせていないのですが、基本的に自宅に届くすべて郵便物と荷物の配達日時が確認できます。日本のように、配送日時の変更などはできませんが、できなくてもそれほど困ったことはありません。
なぜなら、オランダではまだまだ「近所のお預かり制度が健在」だからです。日本ではほとんどなくなってしまった、不在時に近所の人に預かってもらう制度が普通に行われています。
不在時には「どこの家の人が預かっていますよ」という通知が入っているので、帰宅したら取りに行きます。
在宅ワーカーの私はもっぱら預かる方。配達員の人も「いつもこの家は在宅」と知っているようで、ご近所の荷物受け取り所となっているのではないかというほどです。
多い日には何度もベルが鳴り、その度に作業が中断されるので、忙しい日は少々腹も立ちますが、私はこの制度が嫌いではありません。
自分が不在時も近所の誰かが受け取ってくれていますし、荷物を取りに行くことでご近所さんとコミュニケーションを取るきっかけにもなるからです。ご近所さんと顔を合わせて立ち話するだけで、暮らしの中に安心感が生まれます。
オランダの郵便局は民営化されていて、株式市場にも上場しています。なので一応企業努力もしていて、イベントによってオリジナル商品などを販売しています。
例えば、毎年クリスマスシーズンには毎年違うデザインのクリスマスカード用切手を発売したり、キングズデーには王様の顔が描かれた切手を販売していました。
私がよく利用するのは、ダッチデザインの切手。自転車やチーズ、木靴、チューリップ、家など、ザ・オランダアイテムをモチーフに、デルフトブルーで仕上げた切手です。
かわいらしいので、受け取った方にいつも喜んでもらえます。王様デザインは「このおじさん誰?」と言われてしまいましたが(汗)
数年前にはバレンタインデーには、キスマークを付けて愛する人にカードや手紙を贈ろうというキャンペーンをしていてかなり話題に。
他にもいいなと思ったのが、自分の写真を使って作れるポストカードや切手。
子供の写真で作って実家や義実家へ送るとおじいちゃんおばあちゃんはメロメロになること間違いなしですよね。色々な使い道を考えるだけでも楽しくなってきます。
オランダ国内用切手は5枚7ユーロ、国際郵便用は5枚9.7ユーロから。オランダ在住の方は試されてみてはいかがでしょうか?
※本記事で紹介しているのは、コロナ以前の状況です。コロナ以降状況は一変し、EMSは1、2ヶ月以上かかることが頻繁に起こっています。ご注意ください。最新の情報は、郵便局に直接お問合せください。
Written by 藤村ローズ