9月に入り、暑かった今年の夏の疲れも出てくるタイミングかもしれない。
2015年に北海道と同じくらいの緯度のオランダに引っ越してきた私はすっかり北国体質になったようだ。暑い夏はとても苦手になってしまったので、少しホッとしている。
そんな私が「なんだか体調がおかしい」と自覚したのは、バカンスから戻ってちょっと経った8月頭だった。
風邪が1ヶ月くらい治らない。旅行1週間前に風邪を引き、完治していない状態で海に入っていたから、それは仕方ない。
旅行から戻ってだいぶ軽くなってはいるが、それにしても1ヶ月は長過ぎる。日常生活は送れるけど、常にだるい。寝ても寝ても眠い。
南仏で身体に熱が溜まったのか、20度そこそこなのに暑く感じてノースリーブばかりを着用。更年期が始まったのだろうかと思い始めた。
前回のコラムにも書いたように、オランダでのバカンスシーズンに翻弄された今年の夏。世界ウーマンの仕事もあり、リミット越えを実感しながらタスクをこなす日々だった。
そして、久しぶりの休暇を迎えた。フリーランス時代はいつもワーケーションだったが、今回は後半4日間は旅行に専念することにしてみた。
世界ウーマンを立ち上げてから、特にコロナに入ってから、週末も関係なく15時間以上の労働が当たり前になっていたので、「休日」というものを思い出したかった。
普段は5時半起きでもばたばたなので、散歩できることが嬉しい
旅行に専念すると言っても、あまりじっとしてないタイプの私は、朝から散歩や泳ぎに行ったり、料理や掃除に時間を掛けてみたり、次の場所への手配や移動したりで、充実したステイフィケーションを楽しんだ。
あっという間に8日間のコートダジュールの旅は終わり、大満足でオランダに戻ってきた。その週末は旅行疲れを癒すために爆睡し、自宅の片付けやゆっくり料理をして、バカンスの素晴らしさを実感した。
そして翌月曜日に職場に復帰。それからの1週間は平穏に過ごしていたが、違和感を感じ始めたのはその後から。
まだ風邪が治ってなくて、だるい。最初は「免疫力が下がってるのだろう」くらいだったが、ふとした時に、笑えなくなっていることに気付いた。夜もよく眠れない。真夜中や早朝に目覚めてしまうことが多くなり、日中はもやがかかったよう。
これって抑うつ症状じゃないだろうか?鬱は心の風邪というから、たまに罹ってもおかしくない。でも自分なりに原因を考えてみても、思い当たるふしがない。
最近は新しい生活にも慣れて、生活も落ち着いてきたところ。最近特に何かあったわけでもないし、むしろ久しぶりに気分転換ができてハッピーな気分でいた。
敢えて言うなら、コートダジュールのあの海と風が気持ち良過ぎて、戻ってきてからの慌しい毎日との落差があったかもしれない。
張り詰めた緊張状態から一旦解放されたことで、「普通の状態」というのを思い出したのではないかと思う。ただ、それが中途半端だったので、抑うつ状態になってしまったのだろう。
この1年で人生の最大とも言えるピンチとターニングポイントを乗り越えたところだったので、特に緩みやすいタイミングだったとも思う。
ニースでのバカンスはかなりおすすめ!
小学校の頃からよく「頑張り屋さん」と成績表に書かれる私は、ベストを尽くすのが通常モード。本人は自覚なく頑張ってしまい、ある日突然電池が切れたようにダウンすることがあったので気を付けるようにしている。
この1年はちょっと頑張り過ぎている自覚はあったが、代わりがいない状況だったので進むしかなかった。その状況をなんとか乗り換え、自分にご褒美をあげてみたところ、ふとした瞬間に不調が現れてしまったのだった。
今回は発見が早かったので、周囲に甘えてやるべきことを減らし、できる限り休ませてもらって元気が戻ってきたところだ。
これが「燃え尽き症候群」までいっていたら、回復にもっと時間がかかっていただろう。予防するに越したことはない。
そんな私が自分に唱える言葉がある。それは「がんばらナイス」。ダジャレ好きな私には珍しくないが、ある日頭の中で聞こえてきた。
それ以来、つい無理を押してやってしまおうする時、心の中で唱えるようにしている。そうすることで周囲との調和も取れ、さぼっているようで結局うまくいくように感じている。
最近疲れが溜まってなかなか抜けない方、つい頑張り過ぎてしまう読者にもぜひ使ってもらいたい魔法のワードだ。
Written by 藤村ローズ(オランダ)