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ロンドンインターナショナルゴスペルクワイアに入るまでの経緯とその実態は?

2019年9月4日

ドキドキ、ひとりで初めてロンドンの教会でのゴスペルへ

前回、ロンドンインターナショナルゴスペルクワイアでのゴスペル生活について書かせていただきましたが、 今回はもう少し詳しくゴスペルクワイアに入るまでの経緯や、普段の練習について触れてみたいと思います。

日本や、マレーシア、シンガポールでもゴスペルクワイアの活動をしていた私は、ロンドンでもどこかのクワイアに所属できたらいいなと考えていました。

インターネットでゴスペルクワイアについて検索した時に、一番はじめに見つけたのが今、所属しているクワイアです。動画を見てみると、老若男女、様々な国籍の方がいるように見受けられて面白そうだなと感じたのが第一印象。

ちょうどコンサートがあるとの情報を得て、行ってみることにしました。

まだ、ロンドンに来たばかり。右も左も分からない頃、周りにゴスペルに興味のある友人もいなかったので一人、コンサートの開催されるピカデリーサーカス(ロンドンの中心部)の教会へ出かけていきました。

一人で足を踏み入れる初めてのヨーロッパの教会!!

とても緊張しました。ロンドンの教会は、歴史のある建物であることが多いです。 教会に一歩入った私は、ステンドグラスの美しさに見とれてしまいました。

 

”There”s no one like you(あなたのような人は他にはいない)”

ゴスペル音楽といってもクラッシックからジャズ、ロック、ヒップホップなど様々なジャンルがありますが、 そのコンサートで演奏されていた演目は、まさに私の求めていたものでした!

知っている曲、普段聞いている曲もいくつかありました。とても楽しそうにみんなが歌っているのがとても印象的でした。

私の好きなKirk Franklinの”A God Like You”という曲では、サビの部分”There’s no one like you ”と連呼しながらステージから団員たちが降りてきました。頭の上で手拍子をしながら私の席の目の前までやってきたのです。

”There”s no one like you(あなたのような人は他にはいない)”

今になって思うと、キリスト教の音楽なのでそれは神様のことを指していたと思うのですが、私は「ありのままの私でいいんだ!!」と勘違いながらも勇気付けられ、エネルギーをもらった気分になりました。

「なんていい歌詞なんだ!!」と思いました。自然と笑顔になるしかなく、とても楽しい気持ちになりました。皆が心から楽しい気持ちで歌っている様に、心動かされました。

コンサートを観にいった後に、さっそく代表の方のお話を聞きに行きました。

「もし、ゴスペルに興味のある人がいたら例え違う宗教の人でも受け入れたい。」との言葉。

ゴスペルクワイアによって、それぞれコンセプトは違います。

牧師さんが指揮者をしていたりして、お祈りやミサに出るのが必須のクワイアもあります。

このクワイアは単純に音楽を楽しむこと、歌を歌うことを目的としているようでした。そのような団の姿勢が私のような無宗教の日本人にとっては始めやすいなと思いました。

 

楽譜がないゴスペル、どうやって覚える?

ゴスペル音楽はもともと、奴隷としてアメリカ大陸に連れてこられたアフリカ人から生まれた音楽であるため、楽譜を読めなくても歌うことができます。

逆に、楽譜が配られないことが多いです。

私たちの練習では、指揮者が突然、歌詞を読み上げ始め、皆がそれをリピートし始めます。 数人いる指揮者のうち、新曲は歌詞を配ってくれる指揮者もいますが、そうではないことの方が多いです。

単純な歌詞の繰り返しのことが多いので覚えやすいといえば、覚えやすいですが、英語のヒアリング能力が皆より格段に低いと思われる私にとっては一苦労です。練習時の録音は私にとって必須です。

その場で歌詞が聞き取れなくて、耳でコピーした言葉を大きな声で歌っていたら「違うよ、なになにだよ!」と隣の人に耳打ちされることもあります。

また、本当に指揮者がなんと言っているか分からない時に、周りの人にこっそり聞いてみると 「私も、なんて言っているか分からないのよ・・・」と言われることもあります。(笑)

以前、数ヶ月間だけアメリカ人のメンバーが中心となっている合唱団に所属したことがあるのですが、そこは指揮者の指示に少しでも分からないことや、分からない音や、納得いかないことがあると、練習を止めて質問する、納得いくまで話し合う、という風潮でした。

このイギリス人中心のクワイアは、どちらかというと日本のそれに似ているような気がします。

少しくらい分からないことがあっても、練習が進んでいくのを重んじる傾向にあり、分からないことはこっそりと周りで話し合う、というような。そして、新しく入ってきた人にはちょっとだけシャイ。

たまたま、私の参加した団がそうであっただけかもしれませんし、完全に私の主観が入ってしまっていることをお許しください。所変われば、団の雰囲気も変わる、というところが面白いなと思います。

ただ一つどこに行っても思うこと。

歌は楽しい。音楽は楽しい。

世界のどこにいても、 音楽が好きという共通点で集まっている。そんな仲間にロンドンで出会えたことは私の一生の宝物になると思います。

Written by 伊藤結子(イギリス)

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