12月に入り、ロンドンは一気にクリスマスモードになりました。
私がメンバーの一員となっているロンドンインターナショナルゴスペルクワイアも、1年で1番忙しい時期です。私たちのクワイアでは、合計で10カ所以上からお声がかかりクリスマスの曲を演奏しました。
この時期クワイアには、教会やイベントなどで、たくさん演奏する機会があります。全部に出演するのも大変なので、自分が出られる日時のところにだけエントリーして演奏します。私は、ロンドン各地の3カ所の教会のクリスマスキャロルサービスに参加してみました。
ロンドンの西側、ノッティングヒルの住宅地にある教会。12月に入ると教会には、クリスマスツリーが飾り付けられいつもとは違う趣になります。
映画「ノッティングヒルの恋人」でヒロインがオレンジジュースを洋服にかけられてしまう交差点の直ぐ近くにある教会です。映画では街の中のように見えますが、交差点から少しも歩かないうちに、あたりは素敵なフラットの立ち並ぶ住宅街になります。
木曜日の夜に開かれたキャロルサービスですが、近くの住民の方、仕事終わりと思われる方々が次々に教会にやってきていました。天井の高い古い建物に歌声がよく響き、静かで厳かな雰囲気でした。
金曜日の夜は、ロンドン中心部のトッテナムコードロード駅直ぐの教会でキャロルサービスに参加しました。
この地域はオックスフォードストリートの東側に位置し、ウエストエンドとも呼ばれ、ミュージカルの劇場が立ち並んでいる繁華街です。大英博物館の最寄駅でもあります。街中であるためか、一階の席は満員、二階の席にも沢山の人が来ていました。
この教会は、音楽に力を入れているようでした。教会に所属している合唱団の演奏、パイプオルガンの演奏、ピアノの演奏、オペラの歌手の方の演奏に加えて私たちも歌いました。
レインボーの旗が隅に飾られていて、自由な思想を受け入れている教会だと見受けられました。冬場によく振る舞われるムルドワインを頂き、暖まってから帰途に着きました。
日曜日の朝、イズリントンの教会のキャンドルサービスでも演奏しました。
小さくて新しい建物のこの教会では、毎週日曜日の朝に炊き出しが行われています。主に移民の方や、難民の方が集う教会のようでした。パワーポイントを駆使して、環境問題の話やホームレスの方の話題を交えながら、女性の牧師さんがわかりやすく話をしていました。
この教会では、ラテンアメリカの歌や音楽の演奏を聴くことができました。女性3人のユニットの歌も素敵でした。
ロンドン各地の教会を訪れ、様々な人が、いろいろな種類の音楽を演奏するのを見ることができました。人種のるつぼ、ロンドンを実感する出来事でした。
こうやって演奏を披露する機会がたくさんあるから、ヨーロッパでは音楽が盛んになっていくのだろうなと体感しました。
Written by 伊藤結子(イギリス)