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こんにちは。海外在住歴20年になります、ミセスロングです。
今回とてもマイペースでフォークミュージシャンに憧れる息子が、な、なんと最近登録をしたロンドンのタレントエージェンシーを通じ、あの大手テレビ会社BBCのプロデューサーよりオーディションのお誘いを受けたのです。
BBCと言えばイギリスで言う日本のNHKのようなもので、”もしかして連ドラの仕事が決まるチャンス、、、?”と家族総出でウキウキ、ワクワクな挑戦がスタートしたのです。
まず初めに二つ返事でタレントエージェンシーへ承諾をすると、プロデューサーから”Self taping for this project”と言う内容のメールが数時間後に届いたのです。
内容を読むと、
1)あなたの役はXXXです。台本の一部を送るので、この台本から一部を抜粋し、1、2分のビデオを作製して下さい。それを3日以内に私に送って下さい。
2)規定としましては携帯で撮る際には横取り、送る際は”Anlisted link on YouTube”若しくは”A password protected link on Vimeo”ということでした。
そ、それだけ、、、。
簡単と言えば簡単そうに聞こえますが、このロックダウンで画像を上手に取れそうな知人も呼べないし、この情報は極秘に、と念を押す一言がポロリと最後に加えてあるところがやはり天下のBBC。
夫と思わず顔を合わせ、素人の私たちでどうにかしなければならないという使命感に加え、ヒェーと内心ドキドキする両親を横目に、息子は一言”It’s JUST few minites!”と涼しい顔をしていました。
それから24時間は”Self taping”の取り方特集、虎の巻をインターネットで調べまくりました。
まずは部屋の設定からです。バックグラウンドは薄い灰色が肌の映りを良くするらしいのですが、我が家には灰色の壁やドアはありません。
そこで必死に家の中を探してみると、、、ありました、キングサイズのベットに使うベットカバーが!
次に照明が一番明るくこじんまりとしたスペースが必要なので、キッチンとダイニングの間のスペースを使いミニスタジオをつくりました。
そして次に大きな難題が、、、
今回のストーリーラインは恋愛物なので、誰かが息子の相手役の練習台をしなければならないのです。
誰が、、、って母親の私です(笑)
ヒェーと思ったのは母親の私よりも、あんなにさっきまで涼しい顔をしていた息子です(笑)
そんなこんなで失敗に失敗を重ねてやっとの思いで2分弱のSelf tapeが出来上がりました。
Self tapeは無事にプロデューサーの元に届き、2,3週間後にキャスティングを発表するとの連絡を受けました。
今回学んだことは、火事場のクソで切羽詰まると案外何でもできる、、、のに加え、イギリスで俳優業をスタートするにはまず業界でよく使われているエージェンシーをインターネットで見つけ、登録をすることです。
その後エージェントのアーティストbookを見たプロデューサーが声を掛けてくるのです。
最近のオーディションは思っているより簡素化されていて、昔と比べるとアプリケーションの普及などにより作成しやすくなっています。
また、イギリスのキャステイング業界では国籍などのバックグラウンド、障害の有無、性別、年齢等に関わらずに俳優を使うというスローガンが見受けられます。
この様に色々な意味でのダイバーシティが行われているのは若い世代には頼もしいことです。
Written by ロング有美(イギリス)