2月には日本で看護師国家試験が開催されました。受験生のみなさんお疲れ様でした。
例年であったら卒業旅行などに出る人も多いと思いますが、今年はきっと難しいと思います。それぞれが身近なところで何かできることを見つけて、4月からのお仕事開始に整えられるといいですね。
私は日本とアメリカの両方で看護師試験を経験しました。そこで日本とアメリカの看護師試験、通称NCLEX(エヌクレックス)の比較をしてみたいと思います。
日本では2月の何日と何日というように試験日が一年で一回と決まっていますが、アメリカの看護師試験は決まっていません。試験が開催されている日から、自分で自由に選ぶことができます。
日本だと落ちてしまうと次の年まで待たないといけませんが、アメリカでは年に最大8回受験可能です。
アメリカは州免許制度を採用しているので、州の規則によっては、続けて落ちると補習コースを受講など特別なルールを採用しているところもあります。
私としては何回もチャレンジできることの有り難さを感じましたが、受験日を変更もできるため、追い込みをかけづらかったり、準備ができていない気がするという気持ちの問題で、直前に何度もへっぴり越しになって変更したりもしました。
また日本では卒業資格があるということで受験することができますが、アメリカは卒業後でないと受験できません。
私はアメリカの看護学校を卒業していないので様子は分かりませんが、卒業後に少しゆっくりしたり時間を空けてから試験対策に取り組み、受験という方もいるようです。
看護学校の同級生と一緒に励まし合いながら勉強したり、受験当日も同じ部屋で受けるというのはアメリカではなさそうなので、そういう仲間がいないことは少し寂しく感じるかもなあも思いました。
アメリカの看護師試験はCATと呼ばれるコンピューターが受験者の出来高を把握しながら出してくる問題のレベルを調整するというシステムを導入しています。
問題数は最低75問、最大145問。年によって変化はありますが、受験者によって問題を解く量が変わってきます。コンピューターが受験者の出来具合を見て、合格か不合格か判断できる材料が揃うまで問題を解き続けます。
私は3回受験を経験しました。当時の最大問題数は260問ほど。受験した時によって100問近く解いた時も200問近く解いた時もあります。
自分がいつ解き終わるか分からないので、最初受験した時は途中の休憩の取り方などが分からず、試験を終了した時にはとてつもない疲労感に襲われました。
日本の看護師試験は選択問題のみの出題ですが、アメリカの看護師試験では選択問題のみでなく、様々な出題形式があります。
例えば患者さんの状態が書かれた文章を見て優先順位を考える問題、選択問題でも当てはまるものを全て選んだり。
アメリカと日本の看護師試験を経験して大きな違いは、日本では知識重視、アメリカでは知識を元にした行動を重視した問題が多かったように思います。
実際にアメリカ看護師試験の勉強をすると、現場でそのまま活かせるものばかり。
私はアメリカの現場で実際に働き始めるまで経験することなく、資格取得後に正看護師として働き始めましたが、アメリカ看護師試験に向けてしっかりと勉強することが、現場で働く上で非常に役立っていると感じています。
Written by 研谷美月(アメリカ)