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子どもが大切だからこそ、やってあげたいことは?

2021年3月20日
佐古祐子 (アメリカ)

「あひるが好きなら、餌を与えないでください」

子どもが大切だからこそ、手を出し過ぎたり、気持ちが寄り添い過ぎたりして子どもとの境界線が曖昧になることがあります。境界線が曖昧になるとはつまり、「それは誰の問題なのか」が曖昧になるということです。

これは子どもとの関係に限りません。人と人との境界線が曖昧になると、支配と依存に繋がり、密着しすぎて息苦しい関係になってしまうことがあります。

特に真面目でやさしい人こそ、親子や夫婦間などの密な人間関係でがんじがらめになり、モラハラや言葉の暴力や、関係がスムーズにいかずに頻発するぶつかり合いに悩むことが多いように感じます。

今回は、「大切だからこそ、手を出し過ぎずにその人が本来持っている力を信じよう」という話をしたいと思います。

最近訪れた公園に、「あひるが好きなら、餌を与えないでください」という看板がありました。

・あひるに餌をあげると自分で餌を探そうとしなくなります。餌は人間がくれるものだと思ってしまうからです。

・パンやシリアルなど人間の食べ物を食べ続けたあひるやその他の水鳥の中には奇形となり、生涯飛ぶことができなくなるものもいます。

・本来であれば渡り鳥である種の水鳥が、同じ場所に居続けるようになってしまいます。

などといった具合に、あひるに餌をやることでいかに人間があひるが本来もっている生きる力を奪うか、彼らの健康が害されるか、生態系が壊されるかということが書いてあります。

 

子どもに「正解」をいつも教え続けていたら

小さな子どもに「正解」をいつも教え続けていたら、子どもはどんな風に育つでしょうか。

「それをやっちゃダメ、こうしなさい、こうしなきゃダメ」という具合に親のやり方や「親にとっての正解(こうするべき)」を押し付けることは、子どもの「その子らしさ」を否定することです。

「このままじゃダメなんだ、ありのままでは愛されない」と思い込んだ子どもは人の顔色を伺って、相手に合わせたり、過剰に頑張ってしまったり、自分に自信が持てなくなったりします。

そうやって育った子は後に自己肯定感に悩み、恋愛や夫婦関係に悩んだり、人間関係で悩んだり、自分の好きなことがわからなくなったりして、自分らしくのびのびと生きることがむずかしくなるのです。

まさに、「かわいいかわいい」と人間の気まぐれで餌を与えられたあひるが、結果的に自分で生きていこうとする力を失ったり、健康を害したり、生態系を壊してしまうように。

特に「ほら、みんなやってるよ」や、「みんなあっちにいるから、あっちで一緒に遊んできなよ」という言葉、気を付けたいと思うのです。

みんなと仲良く朗らかに明るく協調性があって、言うことをよく聞く、指示されたタスクをこなすことができる、嫌だと泣かずに最後までやり切る、といった「いい子」であることを、大人は子どもに期待しがちです。

それができないと、「もう、ダメねぇ。ちゃんとしなさい」とため息をついてみたりもします。

でも、「みんなやってるから、あなたもやりなさい」というのは誰のためでしょうか。立ち止まって考えることが大切です。

親子関係でも、夫婦関係でも、どんな人間関係でも、自分の問題と相手の問題を分けて考えることが、相手と自分を尊重する自己肯定感の高さに繋がります。

 

子どもが自然に備え持っている本来の力を信じてあげよう

子どもが自然に備え持っている本来の力を信じてあげよう。

ひとりひとりに得意不得意があって、好き嫌いがある。

おままごとが好きな子もいれば、走り回るのが大好きな子がいて、ひとりで本を読んでいるのが好きな子もいる。

おままごとが好きな子に、もっとみんなと走り回りなさい、と言うのも、

みんなと走り回りたい子に、じっと座ってひとりで本を読みなさい、と言うのも、

ひとりで本を読みたがっている子に、みんなとおままごとしなさいと、言うのも、

親がそうした方がいいと思った時に出てくる言葉。

自分の力で自分らしく生きていく力を自分で育むことができるように、サポートするオンラインコーチングをしています。

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Written by 佐古祐子(アメリカ)

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