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本場イタリアでのオリーブオイルの使い方とは?

2022年1月3日
桜田香織 (イタリア)

オリーブオイルのお祭りも

前回、「緑の金」と言われるオリーブオイル、収穫時期や製造・地元での入手方法は?というコラムを書きましたが、今回はその第二弾です。

さて、輸入されたオリーブオイル、日本では結構高額です。使い方がわからないという方とも多いのでは?パスタを作る時とサラダにかけるくらいしか思いつかなく、買ったものの使いきれないという話もよく聞きます。

高価だし、じゃぶじゃぶ使うのはもったいないし・・・。その気持ちよくわかります。実際イタリアではどのような使い方をされているのか、少しご紹介したいと思います。

毎年新しいオイルの出る時期、まずはシンプルにパンにつけて「その年の出来具合」を確認しながら楽しみます。

自宅で、友人宅に集まって・・・は勿論のことですが、あちこちの町や村では小さなお祭りが開かれることもあります。

ムッフォレッタという平たいパンにオイルをかけ、アンチョビ、チーズを加えて食べます。ご飯に梅干し的な感じでしょうか?

そして次はオイル系のパスタ。ニンニクと鷹の爪と一緒に加熱して(野菜や魚介を加えても)そのオイルでパスタを和える食べ方です。

日本で「ペペロンチーノ」と言われている種類ですね。馴染みの深いボンゴレなどもこのジャンルに入ります。

 

イタリアではお醤油感覚?!

そして勿論サラダ。生野菜だけではなく、スライスして焼いた野菜にも使用します。ナスやズッキーニなど、ただ焼いたところにお塩パラパラ、オイルをタラタラ。茹で野菜でも良いですね。

ステーキや焼き魚にも同じように使用します。特に魚は塩、レモン、オリーブオイルの味付けで食べることが多いです。そこにパセリやバジリコ、タイム、ミントなどのハーブの微塵切りを乗せると、さらに風味アップです。

そのほか野菜スープにも使います。スープ皿に盛り付けたところで、食べる直前にオイルをかけます。

この説明である事に気付きませんか?

そう、イタリアでは「オイル」としてだけではなく、「味付け」に使用することが多いのです。日本のお醤油感覚といったら分かり易いでしょうか?

ちょっと味が足りない、風味が足りない・・・、そんな時にはすかさずオイルを一振りです。ですから香りの良い、良質のオイルが必要となってくるわけなのです。

諸外国のようにサラダドレッシングも存在しないイタリア、オイルの質によってサラダの仕上がりが大きく変わってしまいます。私は水切りしたヨーグルトにトロッとするまでオイルを混ぜて(適当に塩)、サラダにかけるのも好き。

友人たちの中には揚げ物も全てオリーブオイルを使用するという人もいますが、我が家ではあまり使いません。オイルの味が主張するので、デリケートなキノコ類など、食材の味をカバーしてしまうことがあるからです。この辺は家庭のやり方、それぞれです。

 

オリーブの実は梅干し感覚?!

オリーブはオイルだけではなく、実自体も美味しいです。

秋になると生のオリーブが八百屋産の店頭に並び、自宅で漬け込む人も多いです。これもまるで梅干しですね(笑)。

塩水に漬け、毎日水を取り替えながら3〜4日。その後新しい塩水に漬けて保管します。

使う時にはオリーブを水洗いしてから、お好みでニンニク、鷹の爪、そのほかお好きなハーブとオリーブオイル。これとチーズでもあればワインも進んでしまいます。

オリーブオイルにはポリフェノールが含まれていて、コレステロールを下げ、抗酸化、血圧を下げる効果があることも科学的に証明されている健康食品。

ただ、気を付けなくてはいけない事は、カロリーは他のオイルやバターと同等ということ。日本の食卓では毎日使用する事はないと思いますが、イタリアでダイエットをしている人にとっては致命的と言えるでしょう。

保管に関して、オイルの大敵は光、温度、酸素に触れる事です。直射日光が当たる場所、高温になる場所を避ける必要があります。蓋を開ければどうしても空気に触れる事になるので仕方ないですね。

そう言えばイタリア人に日本では250mlの瓶が売っていると話すと、みんな口を揃えて「それって一回分?」と聞いていきますよ(笑)。こちらでの消費量がどれくらい多いか、びっくりですよね。

生では食べることのできないオリーブ、6000年も昔にどうやってここからオイルを摘出できる事がわかったのか?実の食べ方を思い付いたのか?誰が始めたかわかりませんが、その人に感謝です。

Written by 桜田香織(イタリア)

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