今年は思いっきり中国家庭のお正月を体験しました。今回は街の様子からお正月の準備、恒例の餃子作りをご紹介します。
2022年は2月1日が中国のお正月。日本の元旦に該当します。中国では、元々は15日の元宵节までが正月期間だそうです。
法定休日は6日までですが、現在は経済文化の発展と共に休暇が終われば仕事に戻る人、休暇のお給料が平日2倍以上もらえるので働きに出る人もいます。
広州には湖南省など周りの省から出稼ぎに来ている人達が多く見受けられます。出稼ぎ者達は春節の2週間前くらいからお店を閉め始め、故郷へ帰省します。
街中のお店が閉まり始めると、店前や道路沿いに所狭しと縁起物やお花が置かれたり、亜熱帯地域特有の青々とした木々の枝歯に赤い灯籠が灯されお正月らしさが感じられます。
ビジネス街は静まり返るほど人の姿が見えなくなり、各交通機関の駅周辺は大きなキャリーケースを2個、3個と持った人達でごった返すため、この時期の外出はスリや置き引きに要注意です。
また、お正月前に「花市」という新年の縁起物を売り出す催し物が開催されますが、コロナの蔓延防止のため、今年も取り消しになったそうです。私はまだ一度も行った事がないので、来年は行ってみたいものです。
左上:我が家の年貨、下中央:ベランダの灯籠と切り絵
中国では、衣と食に該当するものを「年貨」と呼び、食材はお正月期間食卓に置かれます。また、灯籠や切り絵の飾り付けも欠かせません
1週間〜3日前になると、春節を迎えるための縁起物や食材を調達しに行きます。
近所のカラフールに足を運んでみると、様々なお菓子の量り売りや箱買いが目立ちます。ナッツや乾物は商品をその場で味見してから購入できるのも中国ならでは。
私は新年は赤い服を着てお祝いするとずっと思い込んでいたのですが、年女年男は赤い服を着た方が縁起が良いそうで、そうでない場合は着ても着なくてもどちらでも良いそうです。実際に経験してみて初めて知りました。
中国の伝統工芸品でもある「灯籠」は、1800年前に起源したと言われています。現代は丸く赤い形が主流で家族団欒、団結の意味を表します。街中だけでなく、家の中やベランダにも飾ります。
昔、薄い紙を使用した切り絵や彫刻の文化が発達していた頃は想像力がとても豊かで、立春の時期に切り絵を窓に貼り、春の訪れを感じていたそうです。
現在は時期が春節に変わり、シートの上にキラキラと豪華な印刷が施されたものになっています。
餃子作りは、東北出身の家庭では多く見受けられるようです。中国では焼き餃子よりも水餃子が主流です。
餃子の中国語の発音が「交わる、迎える」という意味を持つため、新年を新たに迎えるという意味があります。また形が古代の貨幣に似ている事や、食べることで縁起を担ぐと言われています。
【餡子の材料】
豚肉細切れ、ニラみじん切り、キャベツみじん切り、生姜みじん切り、(細かいほど混ざりが良い)、溶き卵、胡椒、山椒、塩、醤油、ごま油、桂皮、大料(八角の入った調味料)、草果(調味料)
【作り方とポイント】
1. 豚肉細切れの中に、水気を切ったキャベツ、生姜のみじん切り、溶き卵、各種調味料を加え混ぜ合わせる。この時同じ方向に混ぜる。途中で方向を変えると均一に混ざらないので要注意。
2. 混ぜ合わせた1に水気を切ったニラを混ぜ合わせる。この時直接手で混ぜ合わせる。均一に混ざったらそっと置いておく。
【皮の材料】
餃子の皮が作れる強力小麦粉、水、塩2つまみ
左:我が家のお正月料理、右:義母に餃子の作り方を教わりました
【作り方とポイント】
1. ボールに小麦粉を入れたら少しずつ水を加えながら手で粉と水を馴染ませていく。塩2つまみ入れると生地が活性化するので試してみてください。
2. 一つの塊になったところで、板に小麦粉をさっとふりかけてから、板にのせる。生地を横長に伸ばし、折り畳むを繰り返し捏ねていく。最初は硬く捏ねづらいが、30分過ぎると少し手触りが滑らかになってくる。
3. 感触が変わったら、上からボールを置いて空気を触れさせないように密閉し、10分〜15分ほど休ませる。
4. もう一度横長に伸ばし、15分ほど折り畳むを繰り返し捏ねていく。コネすぎると柔らかくなり、後の包む作業が包みにくいので要注意。
5. 生地の大きさに合わせて切り分け、麺棒の太さを目安に棒状に均一に伸ばし、人差し指一本分ぐらいの大きさにカットする。棒を使用しながら丸く薄く形成していく。中心部が厚め、縁側が薄いのが理想。
6. 小さいスプーンとお箸を使い餡子を皮の中に入れていく。この時、フチとフチをしっかり閉じる事に注意すること。煮るときに形崩れや中の具が飛び出ることを防ぎます。
こちらが我が家のお正月料理。縁起担ぎのお魚を中心に、お肉や餃子、地方の特産物まで美味しくいただき、家族団欒時間を過ごしました。さぁ明日からも笑顔でニーハオ!
Written by 古川智子(中国)