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世界ウーマン座談会「みんなどうしてる?親の介護」

2022年4月22日
世界ウーマン座談会

親の介護・終活で大変だったこと

尚子さん:義父が老人扱いされることをものすごく嫌がって、介護に支障が出たことですね。特にオムツにすることを長いことを拒否してました。最終的にケアマネさんが上手いこと誘導してくれ解決しました。もともと温厚で寛容な義父だったのに、嫁の私が家の中のものを触ることを嫌がって掃除をさせてもらえなかったです。

デイケアに行ってる時間を見計らって掃除したりしたんですけど。そもそもデイケアに行くのもごねる、手摺りも設置しないと頑なに拒むというのもありました。何度も転んだりする中で、義父自身が自覚して受け入れるまでが非常に大変でした。

周:お義父様の頑なな態度は、認知症的な症状の一つでもあるんですか?

尚子さん:そうだと思います。だから介護のときは何度か大喧嘩しましたよ。

キエさん:デイサービスというのは、意識があってしっかりしてる人しか行けないんですよね?

尚子さん:車いすの方も多いし、送迎サービスもありますから、いろんな段階の方が利用できるんじゃないかしら。

キエさん:母の休み時間を作るために父のデイサービス利用ができるといいなと思うんだけど、父は寝たきりだしずっとテレビを見てばかりだと思うんですよね。そんな人でも利用できるのかな?

尚子さん:お母様のための、お父様のデイケア利用はいいアイデアですね。ケアマネさんに聞いてみるといいと思います。

後悔しないために介護の初期段階でやっておくと良いこと

周:では最後に、介護の初期段階でやっておくといいことなどについて教えていただけますか?

尚子さん:情報は集めておくに越したことはないです。訪問介護やデイケアの種類、サービスの種類などですね。まずは簡単な範囲から。それと「ユマニチュード」の本がとても勉強になりました。フランス発祥の「人とは何か」という考えが基にある介護のコミュニケーション方法です。「何をしているか実況するように伝える」「腕を上からつかまず、肘を下から支える」など具体的な技術が紹介されていて介護する側、される側のストレス軽減に繋がると思います。

周:コミュニケーションは大事ですね。私の父は頑固な時も多いので、今から実践してみたいです。母とは気楽にいろんな話をしますけど、父とはなんというか私の照れなのか、話したい事や聞きたい事を素直に聞けないというのがあります。

キエさん:確かに。私も母とは電話でよく話しますが、父とはカメラに一瞬映っている間の二、三言くらいです。以前母が2週間程入院していた時に、父が一人暮らしだったので見守りも兼ねて電話していたんですけど、どんなに話しかけても「うん、うん」しか言わないから話が全く広がらなくてもういいやって(笑)毎日話そうと思ってたんですけど結局2,3回しか電話しなかったですもん。

尚子さん:男親ってねぇ~(笑)でもね、後になってやっておけばよかったと後悔しないように話せるうちに話しましょう。私、母が元気なうちにもっと頻繁に電話して話しておけばよかったなって思います。海外も行くし、何でも自分でできるしっかりした母だったので、まさか認知症になるなんて思いもしなかったですからね。

キエさん:後悔しないことは大事ですね。両親がコロナ禍でもアメリカに来ることに対して、親族からは「何もこんな時に」ってブーブー言われたけれども、今になって思えば良かったと感じます。

周:親とのコミュニケーションを先延ばしにしないこと。情報を収集しておくこと。この二つをポジティブにとらえることで不安は軽減されそうですね。

キエさん:あと自分一人だけが大変だと思わないことよね。頼れるところはあるし、工夫できることもあるし、共有しながら明るい介護はできるんじゃないかな!

周:本当そうですね!なんだかこの座談会で勇気づけられました。本日はありがとうございました。

あっという間の1時間、話は尽きませんでした。

このように話を一緒にするだけでも、介護といった一見重く暗くなりがちなテーマも不安が小さくなります。頼れる人、場所があるということを知るだけでも安心感や明るさを得ることはできますね。

そのような意味でも「全2回、海外在住者のための親の介護・終活講座」は参加者同士のディスカッションも含め、多くの方に是非ご覧いただきたいです。

アーカイブビデオはこちらからお求めいただけます。後悔しないためにも心の準備は早ければ早いほどいいですね。

Written by 周さと子(マカオ)

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