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アラサーでのフランス就職【後編】語学力のハンディを克服する方法とは?

2022年11月25日
YACHI (フランス)

語学ハンディがあってもアピールはできる!

前回のコラムでは、帰国子女でもない、長期フランス留学経験がない私がパリで就活、5つ星のホテルに正社員で採用されたフランス語レベルやその理由について書きました。今回はさらに深掘りしていきたいと思います。

特に私のウィークポイントは、フランス語力をどのようにカバーしながらアピールできるかが大きな課題でした。

面接に呼ばれたのは、パリに到着してからわずか1か月くらいの頃でした。その短い時間でもかなり上達した事実を強調し、今後も努力することを惜しまないこと、働きながら短期間で習得する自信があることも伝えました。

面接で一番大切なこと、これは日本でも同じだと思いますが、「私を採用することで会社にとってどのようなメリットがあるか?」これを明確に伝えることです。

私の場合はホテルのフロントのポジションでしたので、一番要のフロントでのお客様の対応のスキルとしては、アメリカのエアラインでの機内通訳として乗務経験、アメリカ人のお客様、日本人のお客様、また他国籍の方の対応の経験が5年もあること。

ホテルには英語を話すお客様も多いということで、英語での対応が得意、それに加えて長年クレーム対応、サービス業の経験があるというメリットを全面に出しました。

フランス語力に欠けても、フランス人で未経験の方よりも英語、日本語でのサービス経験があるメリットがあることをアピールしました。

日本人のお客様にはやはり日本人としてサービスが不可欠であり、言語だけではお客様の満足度はアップしないということ、日本人のサービスに対する期待度はどの国民よりも高くて、そのためには日本人、しかも経験のある日本人が必要ということも付け加えました。

つまり語学のハンディがあっても、「私が日本人であること」「キャリア経験」「英語・日本語の語学力」の三つが強みになったと思います。

日本語ができる他の国籍の方にはできない日本のおもてなしができるのは、「日本で育った日本人であること」。それ自体が最強の武器、強みになります。

 

就職チャンス&タイミングを逃さない!

私のフランス語レベルでも就活をスタートしたのには、私の年齢も影響しています。

EU国籍でない日本人がヨーロッパで就職する際には、留学してインターンシップ制度などが利用できるなど国によって違いはあると思いますが、「ワーキングホリデービザ」を利用するのが一番近道だと私は思っています。

私自身は語学には自信はなかったけれども、ワーキングホリデービザ申請の最後の年、30歳だったので人生最後のチャンスと思い、チャレンジしました。

失業率が高いフランスで、フランス人でも就職するのは大変だと聞いていましたし、私自身も採用されるかどうかは自信もなく、確率が少ないのはわかっていました。

でも数パーセントでも採用される可能性があるのであれば、「やってみないと分からない!」と強く思い、履歴書を送りました。

結果が「NO」でも仕方がないけれど、まずはトライしないことには何も起こりません。

今振り返ると、「語学レベルが上達するのを待とう」などと渡仏を延期したりしていたら、就職するタイミングを逃していたと思います。

 

何事もタイミング

私が履歴書を送ったインターコンチネンタルホテルは、常に日本人スタッフがいるということが就職してから分かりました。

たまたま日本人スタッフがいなかったタイミングで私の履歴書が人事に届いた。会社にしてみれば、何とタイミングのいい話ではないでしょうか。

フランス語レベルはもう少し欲しいところだが、経験、キャリアは問題ないと判断、またやる気と面接官とのフィーリングも問題なかったと思います。

面接でも普段からホテルが取引のある旅行会社についても触れられ、前職で同じ旅行会社の方とのやり取りがあったことが伝えられたのも採用のポイントになったと思ってます。

また、「チームワークでの仕事の経験がある」ということも採用する際に大きなポイントになってきます。お客様もそうですが、同僚や上司とどのようにうまくやっていくかも大切です。

ダメもとでも自分のスキルや経験、今後の取り組みについてもしっかりアピールできた結果、会社にとっては「とりあえず試用期間もあるし採用してみよう!」そんな判断がなされたと思います。

 

語学レベルを躊躇せず行動してみる

私が体現して思うことは、語学レベルを躊躇せず行動してみることです。

採用される、されないは経験などももちろん影響しますが、会社の置かれている状況、退職なのか、一時的な産休・育児休暇なのか、事業拡大で増員したいのか、会社がスタッフを欲しいと思っているかのタイミング次第ということです。

海外就職を希望している方は、まずは自信がなくても履歴書を送ってみること、行動することをおススメします。

また執筆しますが、ホテル業界から現在のエアライン業界の転職についても、採用された時、初めて履歴書を送ってから6年も経過、その間に何度も履歴書をアップデイトしていました。「とにかく行動をしてきた」ということです。

語学に自信がなく海外就職に躊躇していた皆さま、「自信がなくてもやってみよう!」そんな方には背中を押す内容だったのではないでしょうか。

次回は「フランス語2級レベルで実際働いてみたら?」その後の苦悩について、採用されて5つ星ホテルで仕事をしてみた実体験を紹介していきたいと思います。

Written by YACHI(フランス)

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