こんにちは。オランダ在住、世界ウーマンファウンダーの藤村ローズです。いつも名乗っているこの名前、実はこの11月に本名となりました!
「どういうこと?」と、頭が付いてこない方もいらっしゃるかと思うので、今回ここで書いてみたいと思います。
まず、日本の法律では「氏名の変更」は正当な事由があれば、家庭裁判所の許可があればすることができます。
正当な事由とは、名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合をいい、単なる個人的趣味、感情、信仰上の希望等のみでは足りないとされています。
私の場合、海外生活で社会的に英語を中心に生活するようになって、日本語名のローマ字読みでさまざまなトラブルがあったことがきっかけとなりました。
スタバで違う名前を書かれるのはいつものこと、適当な名前で呼ばれることに慣れ、聞き取れない時にはスペルで認識するようなこともありました。
大学ではアクセントの強いアイルランド人教官に、「名前を呼んでも一度も返事がなかったので出席ゼロ」と言われ、落第させられそうになったこともありました。
名字も英語では読み間違えられやすいので、似ている名前にはとりあえず返事するようになってしまい、オランダではよく似た名前の人の会社を設立しそうになったこともありました。
親は「生まれた時は海外に住むなんて知らなかったからごめんね」と言ってくれますが、どうすることもできません。
親から頂いた名前は決して嫌いではありませんでしたが、私はずっとやりづらさを感じていました。
このようになんとかやり過ごしてきた訳ですが、9年程前に息子の小学校の新入生向けパーティーで数十人に自己紹介する機会がありました。
日本名のあまりの通じなさに疲れ果て、前日に観た映画『タイタニック』の主人公の名前「Rose」の名前が口から飛びててきたのです。
日本語名と同じ「R」で始まり、中国留学時代に呼ばれていた日本名の中国語読みが「ズ」で終わるので、私にとっては自然な響きでした。
あの瞬間は忘れられません。10回言っても覚えてもらえない名前が、”Oh, Rose. Nice meet you.”とスムーズに進んだのです。それ以降、私はRoseと呼ばれるようになりました。
最初は外国人のみに使っていましたが、インターナショナルなコミュニティーの中で、英語名と日本語名でごちゃごちゃになり紛らわしいこと、英語名は日本人にも覚えてもらいやすいので、できる限り英語名のみで生活するようになっていきました。
それでずいぶん生活しやすくなったのですが、やはりビザやパスポートの提出が絡む場面ではどうしても本名を使わざるを得ません。やはり不便。
私の場合はもともと日本に戻ることを視野に入れていたのですが、今は海外永住コース。もしかしたら、市民権の取得をするかもしれません。
そうすると一生、自分で言えない、聞き取れない名前で生活するのかと考えると、目の前が真っ暗になりました。
家庭裁判所で改名できるというのは知っていましたが、コロナで3年以上一時帰国できていなかったところ、たまたま見つけたのが、今回お世話になった「司法書士事務所エベレスト大阪」さんです。
今年9月の中秋の名月頃、月を区切りに思いを馳せる習慣がある私ですが、特に誕生月でもあったので、やり残したことやこれからやりたいことについて考えていたら、「名前」のキーワードが思い浮かびました。
ちょうど今年から会社員として働き始めたこともあり、10年近く呼ばれなかった日本語名で呼ばれることへの違和感や、聞き取れずにリアクションが遅れて不利に感じていたので、早速問い合わせをしました。
すると、エベレスト大阪の司法書士・行政書士の堀川貴史さんがすぐに返信をくださり、私のケースは認められる可能性が高いとアドバイスをいただきました。
メールだけのやり取りだけで依頼するのは不安がゼロだったわけではありませんが、今後の手順などもわかりやすくご説明いただけたので、すぐに着手金を支払い、手続きを開始してもらいました。
家庭裁判所への提出書類の準備(通名使用の実績)のみ自分でしましたが、あとはメールでやり取りをしながら、すべての手続きを進めていただきました。
特にコツが必要な申立理由の作成は、私の思いを十二分に汲み取った内容、かつ裁判官に伝わる内容でご作成いただけたのは大きかったと思います。
そうしてあっという間に、約2ヶ月で私の戸籍は完全に書きかわったのです。ずっと困っていたことが短期間に、しかも海外にいながらすべての手続きが完了しました!
海外生活で日本語名が通じづらく英語名を使用している方など、同じような悩みをお持ちの方に伝わればと今回このテーマで書かせていただきました。興味のある方は、こちらからお問い合わせしてみては。
Written by 藤村ローズ(オランダ)