今年ももう6月。日本は梅雨の時期に入りましたね。
日本とほぼ時を同じくして、私の住んでいるベトナム・ホーチミン市でも5月末頃に正式な雨季入り宣言が発表され、「雨季」がやって来ました。
ここで少し、ホーチミン市の位置するベトナム南部の気候について説明したいと思います。
ベトナム南部は、熱帯性気候(サバナ気候)という気候区分に分類されます。
1年を通して気温は30度前後とあまり大きな変動はないのですが、季節は、雨の降る「雨季」と、雨の全く降らない「乾季」の2つに分かれています。
ベトナム南部の雨季のシーズンは5月~11月頃、乾季は12月~4月頃までとなっており、雨季の間は文字通り毎日のように雨が降るのですが、雨の降り方が日本の梅雨とは違います。
今まで晴れていたのに突然風が吹いてきて、雲行きが怪しくなってきたなと思ったら、一気に土砂降りの雨が降ってくる。スコールと呼ばれる、いわゆる「ゲリラ豪雨」のような雨です。
この雨は一日中続くわけではなく、1日のうち数時間だけ降り続け、その後は降ってくることはあまりありません。
とはいえ、一度雨が降ると、色々なアクシデントが発生するものです。
ここから先は、ベトナム南部のホーチミン市で起きがちな雨季あるあるについてご紹介したいと思います。
ベトナムはまだまだ道などを含めたインフラが整っていない場所が多く、そのせいで水はけが悪く、雨が降ると道路に溜まりやすい状態になっています。
これは日本でも時々起こることでもありますが、場所によっては少しの間雨が降り続けると洪水状態になり、たちまち道路が川のようになってしまいます。
こうなると、車の中まで水が浸入してくることもありますし、バイクに至っては乗ることができず、手で押して移動するハメになります。
ある日の夕方。タクシーの姿が見当たりません
これは私個人にとっても本当に困りものなのですが、一度雨が降り出してしまうと、それからしばらくの間は全くと言っていいほどタクシーやGrabなどの配車アプリの車が捕まらなくなってしまいます。
これが帰宅時間に重なってしまうと最悪です。
以前、仕事終わりの時間に雨が降ってしまい、オフィスビルの下で2~3時間ほどタクシーやGrabの車を待っていましたが、待てど暮らせど車は捕まらず、諦めて雨が止んでから歩いて自宅まで帰ったことがあります。
街中のバイク乗車時のアイテムを色々売っているお店。奥がカッパ。
これはベトナムあるあるでもありますが、ベトナムでは徒歩移動をすることがあまりありません。基本的な移動手段はバイクか車だからです。
そのため、傘をさして歩くという文化はあまりないように思います。
ベトナムでは雨が降る中でもバイクに乗る人が一定数おり、そのような時にも必要なのは傘ではなくカッパです。
さらにそもそもゲリラ豪雨のような、滝のような降り方をする雨なので、傘をさして歩いていたとしても、みるみるうちにびしょ濡れになってしまいます。
傘よりもカッパのほうが、雨に濡れることから何倍も自分を守ってくれます。
ある雨季の日の青空。この日は一段と空が綺麗でした
以前のコラムでも何度かお話ししたことがあるのですが、ベトナムはとにかく大気汚染のひどい国です。時と場合によっては、マスクをしないと耐えきれないほどです。
空気が乾燥しているからか、乾季の時期の大気汚染のほうがひどく、それが雨季になると、雨で大気中の汚染物質が流されるためか、空気が多少クリアになっている気がします。
実際、空を見ていても、雨季の時期の方が、雨が降っていない時の空の色がより鮮やかな青色に見えます。
今年の雨季はまだ始まったばかり。これからしばらくの間続きますが、ベトナム4年目ともなればもう慣れっこです。対策しながら楽しく雨季の日々を過ごしていきたいと思います。
Written by 平良弥生(ベトナム)