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中華圏の伝統と健康といえばこれ!太極拳を始めてみた

2021年7月23日
周さと子 (マカオ)

太極拳ってどんな運動?

中華圏の朝の公園で見られる光景といえば、太極拳をする人々の存在だ。中国楽器の音楽に合わせて同じ動きをしているグループもあれば、黙々と型の練習をしている人もいる。

私の住むマカオも例外ではない。朝7時~9時の公園は太極拳に勤しむおじさん、おばさんで賑わっている。

「せっかく中華圏に住んでいるのだから、私もやってみるかな!」そう思い立ち、マカオ政府が提供している太極拳のクラスに参加することにした。

私が太極拳を始めることを家族に話すと、義父は若い頃に「武術太極拳」に励んでいたと懐かしみ、運動とは縁がなさそうな義母でさえ、「八段錦(太極拳の準備運動としてよく行われる気功の一種)」をやっていたと話す。

やはり中華圏の人にとって太極拳は身近な存在なのだ!

太極拳とは、古来より中国に伝わる武術の一つ。「柔よく剛を制す」武術と言われ、小さく柔らかい動きでも相手の力を利用して大きく強いものの力を外すという点が特徴といえる。

中国河南省の陳一族により武術として発祥したものが起源とされており、目的の多様化と門派の増加に伴い様々な流派がある。もともとは武術として発展したが、現在では簡素化された型を用いたものが健康法として広く大衆に親しまれている。

 

30人クラスの中で初心者は私だけ!

公園の広場にて練習に励む人達

効果としては、気血の流れを良くし五臓六腑の機能を高めるそうで、新陳代謝の活発化、ストレス解消、集中力アップなども見込めるのだとか。

一般的に、太極拳の代表的な動きを24の型にまとめた「24式太極拳」が広く知られており、初心者はここから始めるらしい。

今回私が参加したクラスもこの24式の練習を中心としたものであった。

ワクワクしながら迎えた初回。驚くべき事に30人のクラスの中で初心者は私だけ!他参加者は50代〜70代と思われるベテラン達。どうやら皆さん、何度もクラスをリピートしているようだ。

「ヒェ〜場違いな所に来てしまった!」と焦っていた私であったが、先生の真正面の位置を譲っていただき、見よう見真似で動いてみることに。

先生の合図に合わせて、ゆったりと優雅に動くベテラン達の中、手足ばたつかせてキョロキョロと慌ただしい私は冷や汗たらたらで初回を終えた。これはヤバいと、YouTube動画で復習する事に。

24式は一通り終えるのに7~8分ほどであるが、24の動きと順番を覚えるのが40歳を過ぎた中年には厳しい。すぐには無理なので、クラスが完了する2か月で、先生を見ずとも一通りできるようになろうと目標を立てた。

 

 

太極拳は奥が深い!

音楽に合わせているグループ。夏は日陰でも汗だくになる

先生から「この型は相手の攻撃をこうやってかわす動きなんだよ」と詳しく教えてもらう事で、具体的なイメージも湧くように。

最初の数回は真似するだけで精一杯であったが、型を覚えるにつれて徐々に余裕が出てくる。余裕がでてくると、ベテラン達のように滑らかに動きたいと思うのだが、これがまた難しい。

太極拳はゆっくりした動作が簡単そうに見えても、実は足の筋力、バランス感覚、全身持久力が必要で体幹がめちゃくちゃ鍛えられるのである。そのため転倒防止、けが防止に繋がるということで、中高年の支持率が高いのだそうだ。

1か月が過ぎて自分では慣れてきたなと思っていても、ベテラン達から「もっと力を抜くんだよ」とアドバイスをもらう。無意識のうちに力んでいるらしい。力を抜いて動くって意外と難しい!

でもこれって、私が普段やっているテニスでも言われていること。「力で打つのではなく、体全体を上手く使ってボールを狙った場所に運ぶ」どうやら運動がうまくなるためには「力まない体の使い方」が重要なようだ。

そうして迎えた2か月で、私はなんとか先生を見ずとも24式を一通り行えるようになった。優雅な動きにはまだまだほど遠いものの、太極拳を通して中国の文化に一歩近づけたようで嬉しい。

夏休みが始まった影響からか、次のタームの太極拳クラスはすぐに満席となり、抽選に外れた私は継続受講できなかったが、今後も健康ルーティンとして続けていきたいと考えている。

そして近い将来、身のこなしの優雅な健康美人マダムになるのだ!(言うのはタダですから)

Written by 周さと子(マカオ)

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