薬膳茶セミナーで様々なハーブやスパイスも活用
みなさまこんにちは。デンマーク在住の高見節佳です。毎月北欧についてのコラムをお届けしていますが、私の本業は、漢方と薬膳料理の講師です。
とお伝えすると、「薬膳って何? 北欧で薬膳料理を作れるの? 」とご質問もいただきますので、今回は私と薬膳との出逢い、その結果、私に起こった体と人生の変化について書かせていただきます。
今でこそ元気に過ごしている私ですが、30代前半まではとても弱々しい人間でした。
生まれたときからの虚弱体質。心臓のトラブルで小学生の頃は体育授業は見学のみという期間もあり、成長後も弱さは変わらず。アトピーもひどく、顔中がただれてしまうという辛い時期もありました。
そういう状態では食事のアンバランスさを指摘されることも多いのですが、実は、我が家は食にはとても恵まれていました。
料理上手な母によって季節や栄養バランスを考えた彩りの良い料理が品数多く並び、プリンやケーキも母のお手製という、いわゆる理想的な食卓。元気になりたい私も一生懸命食べ、一人暮らしを始めてからも食には気をつけているつもりでした。
でも、いつまでたっても私は弱いまま。本来なら楽しいはずの20代ですら、体の弱さとアレルギー、そして人見知りの性格から、多くの人のように楽しむことはできませんでした。
でも受け入れるしかない、私は「そういう体質」なのだから「仕方ない」。そう思っていたある日、私の人生が大きく変わります。
秋の免疫アップと美肌の薬膳料理
知人が学び始めたという「薬膳」、その言葉に心惹かれて調べてみると。
薬膳料理とは、体調や体質、季節に起こりやすい不調などを考慮したうえで食材を選び、作られた料理。つまり医術と同じように、食べる方にとっての薬になるように、知識を駆使して作られた食事だということ。
なによりも大切なのは、カロリーや栄養素などの数字的な理想ではなく、その方に合っているかどうか、という点でした。
これまでずっと、元気になりたくて頑張ってバランスよく食べても結果が出ない、、と悩んでいた私への答えがそこにはありました。
母の作ってくれた素晴らしい料理も、自分で作る日々の料理も、栄養素など数値の上では理想的。
ただ、生来の虚弱体質で胃腸も弱い私は、その食事を消化吸収して自分の血や肉に役立てるというパワーそのものが不足しているのですから、元気な人たちと同じように一生懸命に食事を詰め込んでも到底処理しきれない、それどころか逆に負担になっていました。
私に必要なのは、理想ばかりを追求する足し算ではなく、自分の弱さを知って引き算をするための知識だったのです。
体に良いと言われ信じて実践していたことが、私にとっては逆に負担になっていた。目から鱗とはまさにこのことです。
そこからは「元気になるためにしっかり食べなくちゃ」という方針を180度変えて、弱く小さな私の胃腸でも受け止められるような食事を意識しました。
栄養バランスはこれまで通りで、あっさり味を基本に。食べる量もこれまでの7割ほどにとどめ、さらによく噛む。胃腸の働きを邪魔しないために冷たいものを控える。
実際に試したのはこれくらいですが、余計な負担が減ったことで私の体も無理なく動き出したのです。
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