三男の幼稚園入園をきっかけに、私も専業主婦から卒業し、家庭に金銭的な貢献がしたい、そして自分に属するものも見つけられたらという想いが強くなりました。
十何年も社会から離れていた私に何ができるか分からず、色んなことにチャレンジしてみた結果、最終的にオンライン起業に魅力を感じました。
ビジネス経験が全くゼロの私が手探り状態でオンライン起業に挑戦してきたわけですが、知れば知るほどおもしろいオンラインビジネスの世界。
と同時に、ビジネスの世界で成功することがいかに難しいことか、身に染みるほど分かりました。
試行錯誤と悪戦苦闘の経験から、専業主婦からキャリアを目指す初心者が気を付けたい3つのことをご紹介したいと思います。
まず、「時間管理」はビジネス業界に限らず、色んなところでよく耳にするアドバイスですが、私にとっても一番のチャレンジです。
子供たちの送り迎えなどにかなりの時間を費やしていたので、カナダがコロナでロックダウンに入ってから、「この時間を起業に割り当てられる」と内心喜んでいました。
そんなマインドセットだったので、食事の準備以外の家事はティーンエイジャーの息子たちが担当してくれたのに甘え、家事も育児も必要最小限、家族の時間もほぼゼロ、子供の相手も”デバイス”に任せっぱなしでした。
「時間が足りない」という焦りから、食事の時間と寝る時間以外は、オフィスの椅子からほぼ立ち上がることなく、時間があればコンピュータに向かっていました。
そんな生活を2年近く続けたにも関わらず、ビジネスは期待していたようにスムーズには進展しませんでした。
その上、一番大切な家族のために始めたオンライン起業にも関わらず、家族が犠牲となり、本末転倒になってしまうというがっかりな結果となってしまいました。
その原因は、時間管理ができていなかったからでした。「時間が足りない」という焦りが常にあったのですが、それは時間を有効に使えていなかったという証拠でもありました。
マルチタスクで複数のタスクを同時進行、ダラダラ休憩も取らずひたすら仕事をこなすよりも、「この時間はこれをやる」というふうに時間制限をきちんと決めて、集中して仕事に向かった方が成果に繋がるということに気づきました。
それだけではなく、時間を割り当てても、心そこにあらずでは、結局その時間は無駄になってしまいます。
時間割が変わったら心もマインドもきちんとけじめをつけて、目の前のことに100パーセントで向かうとより良いバランスの生活になると分かりました。
起業をするにあたって、ストレスになるもう一つの原因は、比較することにあります。
初めてのビジネス、一緒に学ぶ仲間がいることは頼もしいことであると同時に、周りの人がどんどん成功していくのを見ると、自分の進度に失望したり、挫折を感じたりします。
特に自分が目指していることで既に成功している方を見ると、その焦りがさらに強くなったのは言うまでもありません。
「休みを取るなんて時間がもったいない!」というマインドで自分を追い詰めた結果、寝不足だけではなく、頭の中は常にスイッチオンになっている状態で、心身ともに疲労を感じるようになりました。
周りに影響されず、ひたすらコツコツと自分のペースで進み続けることができるよう、自己管理がいかに大事か痛感しています。
「自己管理によって結果が違ってくる」と言っても過言ではないでしょう。
それは体力が継続できるようにしっかり休みを取ることだったり、リフレッシュのための運動だったり、次のステップに繋がるように学びを深めることかもしれませんし、自分のマインドを維持できるように自己啓発書を読むことかもしれません。
人によって違いますが、目標達成まで継続するには、休みをしっかり取り、比較せず、自分のやっていることに集中できる強いマインドを作っていくことが大切になります。
もう一つ欠かせないのは、コミュニケーションです。
19年の専業主婦歴からキャリアを目指そうとするのは180度の変化があり、家族もついていくのが大変でした。
今まで慣れていた生活リズムが変わり、時間になっても食事ができていない、家の中は今までにないほど乱れ、妻(ママ)はオフィスに引きこもりっぱなし。そうすると、家庭内紛争に繋がる可能性もかなり高くなります。
「忙しいの分かっているんだから、言われなくても何か手伝ってよ!」と思いたくなりますが、家族も手伝いたくないわけではなく、新しい変化に適応する時間が必要です。
「妻や家の中の変わり様に我慢できなくなる夫」と「分かってくれない、協力してくれないと憤慨する妻」の状態では、お互いの距離がどんどん離れていってしまいます。
誤解などから来る不快な気持ちやストレスを避けるためには、予めしっかりコミュニケーションを取ることが必要になります。
「自分がなぜオンライン起業をしたいのか」「何を目指しているのか」「どんな助けが必要なのか」「いつどんなことをしてほしいのか」などできるだけ細かく伝えることで、家族の理解も深まります。
「仕事と家庭の両立はない」とも言われていますが、完璧な両立ではなくとも、バランス良く仕事も家庭も満喫したいものです。ただでさえストレスの多い起業ですので、必要のないストレスは免れたいですよね。
家族の理解と応援は何よりも頼もしい強い心の支えとなりますので、家族の力を自分のプラスにしていきましょう!
Written by 林いくえ(カナダ)