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アゼルバイジャン観光ビザ解禁。バクーから日帰りで行ける独特の風景を味わう旅

2021年11月15日
岡田環 (アゼルバイジャン)

幻想的なピンク色のマサジール湖

2021年9月から観光での入国が再開

新型コロナウィルスの世界的な蔓延以降、ずっと停止されていた日本人向けの電子査証申請(観光ビザ)の要件が緩和となり、2021年9月から久しぶりに観光での入国ができるようになりました。

とは言え、まだまだ気軽に海外旅行のできる環境ではないかもしれませんが、もし、旅でアゼルバイジャンに来られるとしたら。

日帰りで訪れることのできる素敵なバクー近郊の観光名所を、今回はご案内します。

1.ピンクの湖と、永遠に燃える丘

バクー市内から30分ほど車を走らせた郊外に、マサジール湖という塩湖があります。この湖は、天候や季節などの条件にもよりますが、幻想的なピンク色の水をたたえていることで有名です。

このピンク色の正体は、バクテリアとも、湖水に含まれる塩分やミネラルによるものとも言われていますが、現地の人々の間では、この湖面を抜ける風を吸うことでも、呼吸器の療養になると信じられています。

「燃える丘」を意味するヤナルダグ

マサジール湖から、車でさらにゆくと、「燃える丘」を意味するヤナルダグという小さな丘陵があります。

ここには天然ガスが噴出し、二千年という長きに渡って燃え続けているという炎が見られます。

ゆらゆらと地中から湧き出るように揺らめく炎は、原油産出国のアゼルバイジャンらしい景色です。

この丘は近年、観光スポットとして整備されて、劇場のような作りのきれいな観覧席が設えられ、国旗を掲げたモニュメントなどの記念撮影スポットがあり、写真撮影も楽しめます。

 

2.拝火教の聖地、アテシュギャーフ寺院

ペルシャ語で「炎の家」を意味するアテシュギャーフ

ペルシャ語で「炎の家」を意味するこの寺院は、永遠の炎を灯した拝火教(ゾロアスター教)の聖地として栄えてきました。

イランに興った拝火教が、いかにしてこの地に伝搬して繁栄し、イスラーム化を経て衰退、インドへ伝搬、さらにヒンズー教やシーク教徒の関わりなど、この宗教が辿った豊かな独特の宗教的な歴史と、この寺院の果たした隊商宿としての役割などを深く知ることができ、大変興味深い経験でした。

ここでは、ぜひガイド付きの入場券を購入するのがおすすめです。アゼルバイジャン語の他、ロシア語や英語が選べます。

また、この寺院の周りは、古くからの原油の採掘場所でもあり、露天掘りの小さな掘削リグが点在する景色が見られるのも、いかにもアゼルバイジャンらしい景色です。

 

3.人類の芸術の歴史、ゴブスタンの岩絵

映画『スター・ウォーズ』のような風景?!

市内からは、海沿いを南西に約60km走り、車で一時間程度の場所に位置する世界遺産ゴブスタン。

映画『スター・ウォーズ』のような風景が広がると称されることのあるこの土地は、隆起と海面下への埋没を繰り返した結果、独特な岩石の荒涼とした風景が広がっています。

世界遺産にも登録され、非常によく整備されたこの岩絵群は、まず山の下の博物館でその歴史と概要を学んだ後、山に上がり見学路をを散策しながら、実際に岩絵を間近に見られます。

こちらでも、ガイド付きのチケットの購入がおすすめ。

石器時代から中世にも亘る様々な岩絵の年代の判別方法や、描画スタイルの違いなどを丁寧に説明してもらえるとともに、5マナト紙幣のデザインにもなっている隠れた岩絵の場所に案内してもらえることも。

のびのびとおおらかで美しい曲線の岩絵と、眼下に広がるカスピ海の景色のコントラストは、必見です。

次のページ神秘的な景色、火山のマグマのごとく噴出するマッドボルケーノ

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