MENU

アメリカの転職事情。なぜアメリカの会社員は転職し続けるのか?

2022年4月6日
野田リエ (アメリカ)

アメリカの平均転職回数は6回!

こんにちは!野田リエです。これまでアメリカの働き方についていくつか記事を書いてきましたが、今回は転職事情について書きたいと思います。

アメリカでは、日本と比べてかなり頻繁に人が転職することを見聞きしたことのある方は多いと思います。もちろん個人差はありますが、アメリカの会社員が人生で転職する合計回数は6回から10回、1社に対する平均勤続年数は4年程度だそうです。

事実、わたし野田も現在の勤務先は通算5社目であり、このことを日本の家族に話した時は「そんなに転職しているの!」と驚かれました。しかし、これにはワケがあるのです...。

会社員として働くことの大きな理由に国境はなく、「安定した収入を得るため」に尽きるかと思います。

でも「安定」がどんなものなのかは、働く国の労働法によって大きく違ってきます。たとえ現職に大きな不満がなくとも、転職を視野に入れておきたいと思う2つの大きな要素がアメリカにはあります。

アメリカの職場で転職し続けることの実情を、会社員の視点からセキララにお話します!

 

現職に不満がなくとも転職を考える二大要因

・即日解雇もあり得る雇用形態

過去のコラムでご紹介している、アメリカのat-will(アット・ウィル)と呼ばれる即日解雇もあり得る雇用形態は間違いなく転職を考えさせる理由のひとつ。

正社員であれば有給や保険などのサポートは得られるものの、定年まで安泰というわけでは決してありません。

朝いつものように出社したら人事に呼ばれ、「本日の〇時までに私物を片づけ社員証を返却し、オフィスを出てください」というような解雇のパターンもあるのです。

アメリカでは、正社員でいることが必ずしも安定した収入に繋がるわけではありません。

・長く勤めても給与が上がりにくい

一般的に、アメリカ企業では必要な人材を外から雇い入れるパターンがほとんど。

つまり、長年に渡って同じ会社で真面目に働いたとしても、勤続年数に応じて自動的に昇進する保証はなく、企業が求めるスキルと実績を持った誰かが外からやってくる可能性の方が高いのです。

働いている企業の昇進・雇用パターンを見極める必要はありますが、自分で特に何もしないなら、毎年の給与査定でその企業が決めた一定のパーセンテージの昇給があなたの基本給から計算されて与えられる場合が多いです。

同じ仕事でもっと単価を上げたいと感じるなら、転職は短期間で基本給を引き上げる有効なアプローチです。

 

転職が一般的だからこそ?それってアリなんだ?!

とは言え、全ての転職が成功に繋がるわけでもありません。転職は誰にとっても大きなストレスになりますし、時間が許す限り応募した会社のリサーチをして吟味するべきだと思っています。

ところが最近、驚くほどの超短期間転職を目の当たりにしました。

ある日突然、社内チャットで数社前の会社の同僚に話しかけられました。彼は転職してみたものの、思い描いていた職場環境でないことに驚きを隠せない様子で、一方的に愚痴を聞かされました。

「もしかして、これから彼の愚痴をちょくちょく聞くようになるのかしら」という思いが一瞬脳裏をよぎったものの、それっきり彼から話しかけられることはなく数か月経ちました。

「そういえば、元同僚はどうしてんだろ」と考えていた矢先、リンクドインで彼が前の会社で働いているらしいアップデートが流れてきて、思わず彼のプロフィールを開くと、転職してわずか3カ月足らずで辞め、前職に戻っていたことが判明。

アメリカではこういう展開も、アリなんですね。いくら転職が一般的とはいえ、1年未満で転職を繰り返すのはマイナスイメージに繋がるのでおススメしませんが、こういうケースもあるようです。

元同僚の転職先は十中八九、前職より高い金額で彼を雇っていたハズなのですが、それでも前の会社に戻りたいと思うくらい耐え難い環境だったと思われます。彼は運が良かったのか、前の会社と良い関係を築いていたのでしょう。

キャリアアップが目的の転職でも、どんな仕事でもいいから就きたいという必要に迫られていないなら、年収の他にも考える要素は増えますよね。

今回はアメリカの転職事情について、実体験を交えて書きました。キャリア・就職面接に関する相談も承っていますので、ご興味ある方はインスタウェブサイトからお気軽にご連絡ください。次回もお楽しみに!

Written by 野田リエ(アメリカ)

この投稿をシェアする

イベント・セミナー一覧へ
コラム一覧へ
インタビュー一覧へ
ブックレビュー一覧へ
セカウマTV一覧へ
無料登録へ