ピンチの中で再発見した夫婦仲円満の秘訣とは？

結婚20年、山よりも谷が多かった

夫婦といえども所詮は他人、生まれも育ちも違う他人である二人が一緒に人生を歩むのですから、試練があって当たり前ですよね。

結婚20年を迎え、長い間山よりも谷が多かったのですが、ようやく上登りになってきた私たちの夫婦仲を思い返すと、これが分かっていたら苦労しなかったのにという気づきや学びがが沢山あります。

今日はその中でも夫婦仲円満の秘訣を改めて感じた最近の出来事からの学びと気づきをシェアしたいと思います。

2月の半ば、主人が急に出張になり、家を12日間空けることになりました。

緊急だったため、主人がいない間に6年間飼っている2匹の犬の世話に加えて新しく子犬を迎えたり、子供たちの送迎などすべてをいきなり一人でしなくてはいけなくなりました。

真冬のオンタリオ州は悪天候の日も多く、雪道での運転に自信のない私は、心の準備も何もできていない状態での留守番に感じるストレスに押しつぶされそうになりました。

長男と次男を、高速で一時間離れたところにある学校とバスターミナルに送る必要があるのですが、二人の時間が合わない日もあり、三男の送迎もあるため、初日にして400㎞の走行距離、合計9時間の運転となりました。

飼って一ヶ月と経たない子犬を乗せて送迎の間に買い物、食事の支度、家に帰れば子犬のアクシデントを掃除、他の2匹の犬の世話など、休む暇もなく駆け回っていました。

ネガティブ思考をポジティブ思考に瞬間で変える方法

体力的にも限界を感じていましたし、主人の帰宅がいつになるかも分からなかったため、この生活の終わりが見えず、心の中に怒りがどんどん積もっていくのが自分でも分かりました。

主人も好きで出張しているのではないというのは分かっていたのですが、それでも主人に対しての不満が噴水のように溢れるばかりでした。

自分の人生を自分でコントロールできない、でもここから逃げるわけにはいかない、マインドもどんどんネガティブになっていく自分に気づきました。

以前の私なら、ネガティブ思考から抜けられないどころか、どんどん深くはまっていったはずです。が、幸いこれまでの失敗からネガティブ思考をポジティブに変えることができるようになり、即実行しました。

①まずは、ネガティブ思考になっている自分に気づいたとき、そこで一旦思考を止めます。「これ以上ネガティブなことを考えない」がファーストステップ。

②そして、自分が喜ぶことを考えます。好きなこと、楽しみにしていることなど。例えば、10分間のコーヒーブレイクなど簡単なことで大丈夫。今回にしてみれば、「高速を2時間も運転する」という嫌な気持ちから「2時間オーディオブックを聞く時間がある！」というふうに。

③次に「すること」に集中する。「あれも、これもしなきゃ」と思うと、考えただけで疲れてしまい、気持ちが重たくなりますよね。ですので、次のタスクだけに集中すること。

④一日一日、その日を乗り越えることだけを考えました。寝る前に「今日も乗り越えられた」と自分を褒めてあげると同時に、神さまに感謝も捧げました。そして、次の日も乗り越えられる力を与えてくれるように祈り、一日を終える、そんな毎日でした。

試練から得られた収穫と夫婦仲円満が続くポイント

気が付くと、この経験を通して、沢山の収穫がありました。

まずは自分への自信。運転はできるなら避けてきたのですが、視界が悪い悪天候の中を9時間も運転したことから、私にもできるという自信がつき、自分のコンフォートゾーンが広がりました。

さらに、主人への感謝の気持ちが出てきました。彼は一日の仕事の後でも、可能な日は子供たちの送迎をしてくれます。

「Be in someone’s shoes」という英語がありますが、人の気持ちというのは、同じ立場に立ったことのある人でないと分かりません。「それは夫婦でも同じ」と改めて思うことで、主人の優しさを当たり前に受け止めていた自分に気づいたのです。

今回の経験で、成長したと思っていた自分の弱さを見せられ、謙虚な気持ちになりました。

自分の気持ちに気づき、マインドの切り替え、今置かれている苦境をどのようにポジティブに乗り越えるかによって、夫婦もどんどん離れていくか、もっと強い絆を築けるか、が決まると思います。

今までの私はどれもできていなかったため、谷底を歩いていた時間がとても長く、もっと早くできていたら、もっと早く夫婦仲も改善されたのではと思います。

でもいつ始めても遅すぎることはないと思います。夫婦仲は夫婦二人で営むものですが、まずは自分を整え、磨くことで夫婦関係も好転できる、と再確認した今年の2月でした。

Written by 林いくえ（カナダ）