本場スウェーデンのカフェに並ぶシナモンロール。白い粒はパールシュガー
香り高いシナモンと香ばしい生地の組み合わせが世界中で愛されるシナモンロール。実はスウェーデンが発祥だとご存じでしたか?
この国においてその存在は特別で、シナモンロールのないカフェやベーカリーは存在しないほど。シナモンロールの質でお店の評価が決まるといっても過言ではありません。
紐を結えたような独特の形。どっしりと重い生地、トッピングのパールシュガーは華やかさとカリッとした食感のアクセントを。加えてカルダモンの効いた”カッコいい”味にも本家のプライドを感じます。
そんなスウェーデンから波及して、北欧諸国でもすっかり定着しているシナモンロール。
たとえ通りすがりの小さなお店であっても美味しい定番を、今回はわかりやすくチェーン店のスターバックスで、スウェーデン、フィンランド、デンマークの3カ国を食べ比べてみました。
スウェーデン・ストックホルムのシナモンロール
コーヒーブレイク、 Fika(フィーカ)に欠かせないシナモンロール。スウェーデンではKanelbulle(カネルブッレ)と呼ばれます。カネルはシナモンという意味です。
ストックホルムの中心地にあるスターバックスで見つけたのは王道の結び目スタイル。
パールシュガーがないため見た目は少し地味ですが、生地はどっしりと重めで食べ応え充分、カルダモンもちゃんと効いています。3カ国中では甘さも一番しっかりしていました。1つでお腹いっぱい、女性なら2人でシェアするのがちょうど良いかもしれません。
カップやプレートのお洒落さもさることながら、何よりシナモンロールのクオリティが、本当にチェーン店なのかと驚くレベルでした。
老舗デパートやブランドショップが並ぶ立地のせいなのか、スウェーデンのスターバックスは皆こうなのか。次回ストックホルムを訪れる際は更に検証したいと思います。
形については、生地を細い紐状にして結っていくため、スパイスと生地が何層にも重なり合い、より風味を感じられるように思います。
ただ慣れないと成形が難しいこともあり、一般家庭で作る場合にはお馴染みのロールケーキ形が主流になっています。お店で結び目スタイルを見つけたらぜひチャレンジしてみてくださいね。
フィンランド・ヘルシンキでのシナモンロール
今年2月に訪れたヘルシンキでは、賑やかなショッピングストリートにあるスターバックスへ。有名デパートの向かいという立地もあり混雑していました。
シナモンロールは、フィンランド語でKorvapuusti(コルヴァプースティ)と呼ばれます。意味は『つぶれた耳』。
ロールケーキの真ん中を押しつぶしたように成形することが多いためこの名前がついたようですが、スターバックスではつぶされていませんでした。
渦巻き模様とアイシングという、日本でも見慣れた外見に懐かしさを感じます。スタイルとしては一番日本に近いでしょうか。
生地は一見ふんわり、手に取るとスウェーデンの生地に似たしっかり感。想像よりも甘さは控えめでしたが、たっぷりとかかったアイシングでバランスが取れています。
とても寒かったこの日に限っては、甘さもスパイスももう一声!と欲張りたい気もしましたが、甘すぎず、濃すぎず、お腹も充分に満たされました。
デンマークのシナモンロール。コペンハーゲン中央駅スターバックスにて
コペンハーゲン中央駅舎内にあるスターバックスは、まずその雰囲気を楽しみたい場所。昔の切符売り場を改装した重厚な店内は、カウンターの彫刻ひとつひとつにも歴史を感じます。
デンマークでKanelsnegle(カネルスナイル)と呼ばれるシナモンロール。ここでは細めのロールが仲良く3切れ並べられたカップケーキ風でした。他の2カ国に比べると少し小ぶりです。
アイシングは控えめで全体的に甘さもマイルド。生地もふんわりやわらかく、女性でも軽く食べられます。質感や味は、3カ国の中では最も日本のスターバックスのものに近いと思います。
デンマークではデニッシュ生地を使用しているお店もありますが、いろんなお店を覗いてみる限り、主流はこちらのふんわりパンのようです。また他のお店ではもう少し大きなサイズが多かったです。
せっかく北欧を訪れたなら、その土地ならではのカフェを訪れたいもの。でも迷った時にはチェーン店でも十分楽しめる3カ国でした。
本場のシナモンロール、ご旅行の際にはぜひお試し下さいね。
ヘルシンキの街
Written by 高見節佳(デンマーク)