ボンジュール!ベルギー在住のホーゲデウア容子です。
ベルギーはヨーロッパの中心とも言え、小さな旅行へどこでも行ける位置にある。そこで、前から行きたかったシャンパーニュ地方、Reims(ランス)で、プチバカンスを過ごすことにした。ブルッセルから車でわずか3時間程。
実は近年ワインやシャンパンを1杯しか嗜まないのに、二日酔いでもなく、頭痛がする状況が続いて、「いよいよ、お酒を断とうと思う!」なんて告知していたところ。このシャンパーニュ地方の旅も、お付き合い、、、のはずであった。
そんな思いを持ったまま今回選んだ宿は、普通の家が改造されたB&B。看板もないくらいの小さなB &B。レビューがとてもよかった割には本当に小さいし、外から見ると普通の田舎のお家。
「本当にここなのかしら?」と思っていたら、レビューが良い秘密はオーナーにあった。
ビオ生活を実践しているオーナーは、メインはパリで生活、家族と過ごすために購入した田舎のホリデーホームの部屋を少しづつ増やし、気が向いたらお客さんを取るというやり方で、趣味の延長のようなお宿。
それでも綺麗好きで掃除の人を雇わず、自分で掃除をするという完璧主義者でもあり、朝は手作りのジャムとパン。夜は、お願いすると有機野菜中心の家庭料理が食べられる。
初日は出かける気もしないので、フランスの家庭料理をお願いすることに。
そうすると、コトコトとお鍋で長く煮込んでいたお野菜やお肉がシンプルに出てきて、オーナーも一緒に夕飯!このスタイルは、とっても気に入ってしまった!
他のゲストも加わったのだが、お友達かと思ったらゲストからお友達になってしまったという。ローカルハムやチーズをたくさんいただきながら、シャンパンの話で盛り上がる。なんだか、お友達の家に呼ばれたみたいだ。
そして、オーナーおすすめのシャンパンを飲み始める。味がかなりドライだ。飲み慣れたシャンパンとは少し違う。全く甘くないのである。
「ドライ、いいですね。いつも飲むのはBRUTで、よくある普通のシャンパンで、辛口に慣れたつもりでいましたが、このシャンパンと比べるともう少し甘いからちょっと違う感じがしたけど、飲み始めると自然な感じで美味しいですね」
「大きなシャンパンメーカーは味の安定が必要だから加糖していて、その味をみんなシャンパンだと思い込まされている傾向にあるけど、加糖しないのが本当の元々のシャンパンの味なんだよ。妻もシャンパン飲むと頭痛がしていて禁酒していたけど、砂糖なしのシャンパンがあると知って試したら頭痛がなくなって、また人生をシャンパンと楽しめるようになったんだよ」と教えてくれた。
なるほど!頭痛の原因は、砂糖だったのである!なんて発見だろう。シャンパン通な方、ご意見多々あるかと思うが、あくまでもシャンパンビギナーの私の体験談と思ってお聞き流しください。
その後オーナーが足で通い、シャンパンメーカーにも会って厳選された、オーナーおすすめの3つのビオシャンパンメーカーを訪ねた。
ほぼ現地で売れてしまうので宣伝する必要もないし、加糖しないために作れる本数も限られているのでどのメーカーも小さいが、ビオシャンパンに誇りを持っている。
シャンパン作りでは、ボトルの残余物を取り除く必要があり、オリと呼ばれる沈殿物を取り除くために、シャンパンメーカーはまずボトルの先端を下に向けて、ボトルを回転させながら角度のある棚に保存する。「Emily In Paris 」のシーンで記憶に残ってるいる方も多いのではないだろうか。
この状態で栓を抜き、内部のガス圧でオリの塊を飛び出させ除去する。そして目減りしたシャンパンを補うために、砂糖やシャンパンを加えるのだが、この量でシャンパンの甘口、辛口が決まるのだとか。
シャンパンでよく目にするのが、BRUT(ブリュット)。BRUTは、フランス語で『生』を意味する言葉。
スパークリングワインにおける甘さの段階を示す言葉の一つで、辛口を意味する。元々は、シャンパンに対して使われていたという。
シャンパンは元々加糖した状態の甘口が一般的だったが、1874年にPOMMERY(ポメリー)というシャンパンメーカーが、加糖しない状態の辛口シャンパンをリリースしたことがきっかけとなり、辛口シャンパンが主流となってきたと言う。
現在でもシャンパンは、辛口スタイルが一般的。BRUTでも残糖度には違いがあるのだが、一般的にブリュットは残糖度が1リットルに対して6〜12グラムの砂糖と決められている。
この定義はシャンパーニュ地方でのみ生産されるシャンパンに関する定義であるが、他の地域のスパークリングワインにも同様の定義が用いられていると考えて良さそうである。
ビオワインには頭痛の他の原因と言われている酸化防止剤が入っていない、もしくは大量には使われていないため、本当に安心である。頭痛がないので安心してテイスティングにも挑めた。
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