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カナダでアイスホッケーシーズンがスタート!アイスホッケーママとしての貴重な体験

2022年10月17日
林いくえ (カナダ)

初シーズン終了記念撮影(2017-2018)

アイスホッケーシーズン始まる!

9月に新学期が始まると同時に、夏の間停止していた様々な課外活動も一斉に始まります。カナダの国民スポーツとしても知られている冬の人気スポーツ、アイスホッケーも例外ではありません。

5年前にまだ2年生だった末っ子の要望で、私にとって未知であったアイスホッケーの世界に足を踏み入れることになりました。

スケートができない私にとっては、手の届かない世界にあったアイスホッケー。知識、経験ゼロからのスタートでした。

まずは、肩、肘、脛、膝パッドなどの防具から揃える必要があったのですが、何が必要か全く分からなかった私は、途方に暮れていました。

夫がリードしてくれ、とりあえず必要なものは揃えたのですが、その多さに絶句!10以上もある防具をどれからどうやって身に付けていくのかもさっぱり分かりません。防具をつける順番から覚える必要がありました。

幸い、アイスホッケー経験豊富の友人が周りにいたおかげで、文字通り手取り、足取りで防具の付け方やスケートのレースの結び方などを教えてもらうことができ、最初の難関突破!

防具を全部つけた末っ子の姿は、防具をつけているというよりは、「防具に埋もれている」という表現の方が相応しかったような気がしました。

歩くことさえ難しそうに見えたので、「これで氷の上を滑って、しかもホッケーができるようになるのか?」正直疑ってしまうほどでした。

 

アイスホッケーデビュー

左:アイスホッケーデビュー初日(2017年9月)、右: 自分で防具を装着(2022年9月)

シーズン初日、慣れない手つきで、そして周りの手を借りながら、なんとか防具を全て付けてあげた後、ペンギンのようにヨチヨチ歩く息子をリンクに送り出しました。

実は、息子はスケートさえできなかったのですが、スケートができなくても参加できるリーグだと聞いて申し込んだので、どうなることやらとハラハラしながらガラス越しから見守る夫と私。

リンクに送り出された息子はもちろん立つこともできず、立っては転び、立っては転びを繰り返すだけの初日となりました。

一日にして彼のアイスホッケー人生は終わるかもしれないと思いきや、「来週も来る」とめげない息子。アイスホッケーをやりたいというのは本気だったようです。

そして、その次の週には立つことができるようになり、またその次の週にはフラフラで転びながらでしたが、リンク内をゆっくり移動できるようになったのです。

必死でチームメイトの後についていくものの、みんながいた所にたどり着いた時には他の子たちはすでにリンクの反対側にいる。息子の周りだけ時間が止まっているようでした。

ですが1ヶ月後、同じユニフォームを着た子供たちの中から、息子を見つけることができなくなっていたのに気づいたのです。

「一ヶ月でゼロからみんなのスピードについていくことができるなんて!」と、子どもの学びの速さにただただ驚愕したのを覚えています。

 

子育てを通して得た貴重な体験

2022年9月練習風景

あの日からあっという間の5年間。今ではスタープレイヤーではないものの、シュートして点を取ることもできるようになりました。

私自身もアイスホッケーを身近に感じるようになっただけではなく、スポーツを通しての一体感をひしひしと感じています。

それは応援する親たちの間にも見ることができます。

時には親の方が熱狂になることもあり、子供たちのチームがゴールを決めた時に「ガラスが割れるのでは?」と心配になるほどの勢いでガラスをバンバン叩いて歓喜したり、Cow Bellと呼ばれる農場で使われる大きなベルを思いっきり鳴らしてエールを送ったりする親の姿も見られます。

最初はルールどころか、点のようなパックを目で追うことすら難しく、観戦していても訳が分からなかった私。

「アイスホッケーとは縁がない」と思い、興味も湧かなかったのですが、息子のおかげでホッケーママとして貴重な体験をさせてもらっています。

2018年 立つこともできなかった初日から数か月後にはチームの一員として参加できるように

土曜日の夜は「ホッケーナイト」のカナダ。

日中は息子の練習と試合、夜は夫とテレビの前でトロント・メイプルリーフ隊の試合を観戦するというのが毎週土曜日の日課となり、夫からアイスホッケーのルールを少しずつ教えてもらいました。

もともとスポーツ観戦が好きな私なので、ルールが分かるようになってからはアイスホッケー観戦という楽しみが増えました。

練習や試合でバタバタするこのシーズン。朝5時起きで7時の練習に駆けつけていた時期もあれば、汗臭い男子ばかりの更衣室に入るのに勇気がいる時もあります。

白人プレイヤーがメインのスポーツであるアイスホッケーに、マイノリティとして参加することに違和感を感じる時もあります。

それでも、カナダの国民スポーツであるアイスホッケーをホッケーママとして関わることができたことを本当に嬉しく思っています。

Written by 林いくえ(カナダ)

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