ベジタリアン、ビーガン、オーガニック・・・。このような言葉に皆さんは馴染みがありますか?
宗教上や健康上の理由だけでなく、欧米などでは環境保護の視点からもビーガンというものに注目する人も増え、その中には十代の若者も含まれるとか。
まだまだ発展中のインドネシアでは、正直これまで「健康が」とか「環境が」ということよりも、「お腹を満たすこと」が優先されていました。
それがここ数年で、インドネシア国内、特に首都圏で、「健康志向が浸透してきたな」と思うことがあります。
しっかりと統計があるわけではありませんが、インドネシアに住んでいる私が肌で感じる感覚だと、この3~5年くらいでいわゆる「ベジタリアンメニュー」が増えたように思います。
バリ島や首都ジャカルタの一部の欧米人経営の客層の、客のほとんどが欧米人のおしゃれなカフェのような場所であれば、それ以前からビーガン・ベジタリアンメニューはあったかもしれません。
でも、この数年で増えたなと思うのは、インドネシア人、それも一部の富裕層ではなく、庶民が多く利用するような飲食店でも、ベジミートなどを使ったメニューが増えているのです。
SaladStop Indonesia、Facebookページより
サラダ専門のチェーンは、首都ジャカルタであればいくつものモールに店舗がありますし、去年ジャカルタにオープンして以来今でも人気な米系サンドウィッチ店SUBWAYも、今の時代だからこそ、ここインドネシアで店舗を増やしているのではないかと思います。
実はSUBWAYは1990年代に一度インドネシアに進出しています。しかし2005年には全店舗が閉店、インドネシアから撤退しています。
それが去年2021年に、再度インドネシアに進出してきたのです。首都ジャカルタのみならず、首都圏郊外にも店舗数を広げています。
一般的にインドネシア庶民が屋台で食べるようなナシゴレンなどのメニューの2-3倍もする、野菜入りのサンドウィッチが人気なのです。
マクドナルドにもケンタッキーフライドチキンにも、ピザハットにも、必ずご飯ものがある、国民総コメ食のインドネシアで、です。
健康への意識だけではなく、これは国が経済的に成長しているという理由もあるかと思います。
お腹を満たせる、腹持ちの良いごはんものではなく、サンドウィッチにお金を払うようになったのですから。それも富裕層だけではなく、いわゆる一般庶民が、です。
健康志向が見られるのは、サンドウィッチ店や、その他フランチャイズのお店だけではありません。
過去数年、インスタントラーメンにも「健康」を意識し、開発されたであろう商品が多く見られます。野菜を練りこんだ麺、ノンフライの麺、でもスープはインドネシア人好みの味、の商品がいくつかのメーカーが販売しています。
それらの販売元の内一社は、数年前にまだ三十代だったインドネシア人たちが立ち上げた、いわゆるスタートアップのような会社で、会社の立ち上げ時からこの「健康的なインスタント麺」をメインにビジネスを展開しています。
産業や経済など様々な面で、先進国とくらべ15-30年遅れの発展をしていると言われるインドネシアですが、人口も増え若い世代がこれからどんどん活躍しています。
健康ブームは他の国よりも少し遅れてきたかもしれませんが、これから様々な分野で「健康な若者たち」が活躍し、あっというまに先進国を追い越す成長を見せてくれるのでは。
緑色のベジタブル麺を見ると、そんなことを思わずにはいられません。
【SaladStop】
https://www.facebook.com/SaladStopID
Written by 杏子スパルディ(インドネシア)