こんにちは!野田リエです。突然ですが、90年代に一世を風靡したCHAGE&ASKAの名曲「Say Yes」を覚えていますでしょうか?「迷わずに〜 SAY YES」という最後のくだりに思春期だったわたしの胸は大いにトキメキました。
けれど大人になるにつれ、世知辛いYesの存在も否応なしに知ることになります。わたしたちの生活って、仕事でもプライベートでも人との繋がりが様々に交差して成り立っていますよね。
「ここで同意してもらえたらやりやすくなるんだけどなぁ…ただYesって言ってくれないかな」、そんな風に思っても、なかなかSay Yesのように「感じ合いませんか」では済まされません(笑)。
自分で相手から「Yes」を引き出せる交渉力の有無は、あなたの生きやすさにも影響する大きなファクターではないでしょうか。
今回は、日頃のコミュニケーションにも取り入れられる、相手から「Yes」を導くコミュニケーションについてお話したいと思います。
一見、すごいスキルがなければ無理そうな感じがする交渉術ですが、野田の体験談も交えて、思いのほかシンプルに実践できるコツをご紹介します!
結論から言ってしまうと、相手を頷かせるシンプルなコツは「否定形(No)で迫る」!これに尽きます。
例えば、誰かと話したい時、「今、時間ありますか?」というような聞き方をしませんか?
普段よく使う「お伺い系」の言い回しに意識を向けてみると、大半が肯定形になっていることに気づくと思います。それを否定形の聞き方に変えるだけなんです。
前述の「今、時間ありますか?」を否定形に変えて、「今、時間ないですか?」と聞くだけで、人の心に刺さりやすくなるというこのカラクリ!一体、どういうことなのでしょうか。
「あーはいはい」って言い回し、よく聞きますよね。このフレーズが漂わせるニュアンスが、正に答えなんです。こう言われると、ハイって肯定しているけどちゃんと聞いてはなくて、惰性で返事してるだけだって感じますよね。
そう、わたしたち人間は肯定することに対して緊張感に欠けるというのは、考えてみると当然と感じますが、普段気にしたことってあまりないんじゃないでしょうか。
逆に、何かを否定するとき人は「あーはいはい」のノリにはならず、ちゃんと考えて返事をするんです。意識的に場をコントロールしたいという自我が働くんですね。
つまり「今、時間ありますか?」は、相手の気が散漫になる可能性が高いのに対して、
「今、時間ないですか?」や「都合悪いですか?」(Is now a bad time to talk?)は、相手の意識をキュっと掴んで「ないけど、ちょっとなら話せる。どうしたの?」というような主導権を握った返答を引き出せるんです。
しかし、真に主導権を握っているのは、紛れもなく問いを投げかけた側。この記事を読んでコツを知ったあなたかもしれません。
こんな人の心の法則をひとつ知るだけでも、コミュニケーションの幅はグンと広がります。どちらか一方がモヤモヤするのではなく、お互い気持ちの良いやりとりがしやすくなる足がかりとして実践してみてください。
このようなコミュニケーション術に興味が湧いた方は、元FBIトップ・ネゴシエーターのクリス・ヴォス(Chris Voss)著書の逆転交渉術−まずは「ノー」を引き出せ(Never Split the Difference)という素晴らしい本があるので、ご参考までに紹介しますね。
野田は急ぎで返事が欲しい相手に幾度となくお伺いメールを送っても連絡がもらえず、絶望的な状況のなかで最後のあがきに「No戦略」を試したところ、信じられないことにわずか数分で返信がもらえたという驚異的な体験をしました。その後、なめるように読み返した超おススメの一冊です。
さて、今回は様々な場面に応用できるYesを引き出すコミュニケーション術についてお話しましたが、いかがでしたでしょうか?あなたの日常のやりとりを円滑にするヒントになれば嬉しいです!
わたしはキャリア・就職面接に関する相談も承っていますので、ご興味ある方はインスタかウェブサイトからお気軽にご連絡ください。次回もお楽しみに!
Written by 野田リエ(アメリカ)