この子はかなり小さい方。ジョージアの犬は結構大きいです
გამარჯობა !!(ガマルジョバ!)こんにちは、ナミです。
今日は、ジョージアの犬についてご紹介します。ジョージアの魅力は色々ありますが、個人的に全日本人に見てもらいたいのがジョージアの犬たちです!
実は、ジョージアは野良犬が非常に多いです。こう言うと「え!?大丈夫?」という反応を貰うことが多いですが、ジョージアの犬は本当に本当に賢くて可愛いのです。
みんな穏やかで、日中は大体ゴロゴロと寝転がっています。ゴミを漁ることはなく、吠えたりすることもありません。
特に朝はご機嫌で、散歩していると、「あ、一緒に行く?」といった感じで、何かが通じ合うと横に並んで歩いてくれます。
でも飛びかかったり舐めたりすることはなく、その距離感は絶妙です。近すぎず、遠すぎず。先導する子もいれば、少し後ろを歩く子もいます。
訓練を受けたわけでもないのに、目が非常に知的で何かを語る眼差しをしています。
野良犬というよりも、正確には「地域犬」という位置付けが近いようです。耳にタグをつけているのがその証で、ちゃんとワクチンを摂取しているそうです。
里親制度もあるらしく、「この子を家族に迎えたい!」という運命的な出会いをすれば、耳のタグを外して正式な家族として迎えることができます。
この3頭はいつも一緒。1頭は足が1本なく、1頭は片目が不自由。力を合わせて生きています
ジョージアには多くのアニマルレスキュー団体があります。彼らは交通事故や犬同士の喧嘩で怪我をした犬や猫、動物を救済しています。
救急車を持っている団体もあり、電話一本ですぐに駆けつけ、怪我をした動物を保護してくれます。
治療し、元気に回復した動物は、保護した場所に放します。つまり再び野良犬・野良猫に戻すのです。びっくりですよね。
さらに驚くべきことに、これらの活動はすべて無料です。
アニマルレスキュー団体は寄付金などで運営しているので、もし怪我をしている動物を見つけて連絡してもその人に請求されるわけではありません。
正直に言うと、私は日本に住んでいた時、犬があまり好きではありませんでした。
犬が怖くて嫌いなのではなく、あの首輪をしてリードをつけている姿がどうにも好きになれません。自由に散歩もできないなんて。私は絶対にそうなりたくないです。
「そういうものだから」「それがこの子のためだから」という言葉でそれを強いる飼い主にも、それに疑問を持たずに尻尾を振る犬にもモヤモヤが止まりません。
まだ猫は自由ですが、それでも最近は家から一歩も出させてもらえない猫も少なくありません。
「一生、家の中だなんて、それって生きてる意味あるの?」とまで言うのは言葉が過ぎるかもしれませんが、私の本心です。
動物と暮らしている方の気分を悪くさせてしまったらごめんなさい。もちろん、喜んでそうしてる訳ではない事情は理解しています。だって「そうしないといけない」のですから。
通りすがりの犬と。とても穏やかで温泉に入っているかのような表情をする子でした
そうなのです。日本ではそれが当たり前で、「そうしないといけない」のです。
私は日本を出るまで、世界の犬猫事情に思いを馳せたことはありませんでしたが、なんとなく世界中が日本と同じような感じかと思っていました。つまり「野良犬・野良猫は危険」という認識です。
田舎の方は分かりませんが、日本では野良犬は見かけません。なぜならすぐに捕獲して殺処分するからです。
それって安全なのでしょうか?治安が良いのでしょうか?犬からしたらとんでもなく危険な国ですよね。危険な国ランキング堂々の1位じゃないでしょうか。
猫も、日本の野良猫が初対面で撫でさせてくれることってほぼありません。猫が「人間は危険だ」と認識しているからでしょう。
ジョージアに移住してから色々な国に旅をしていますが、豊かさ・幸福度について本当に考えさせられます。
持論ですが、犬猫の様子を見るとその国の豊かさが分かります。その国の人々が、弱い動物たちに日常的にどういう態度を取っているかが分かるからです。
犬や猫に優しい国は、子供達にも優しいです。子供達に優しい国では、大人たちも子供を産み育てることを望みます。子供を3人・4人と産む人が増えれば、ごく自然なことですが、その国の国力は上がります。
まさに日本は逆行している流れ。日本はまだ経済的に豊かな国かもしれませんが、間違いなく今の日本は心が貧しいです。心が貧困な国は、経済面も連動して貧しくなると思います。
春先になると日当たりのいい場所で“犬だまり”ができます
世界中の犬を見比べた訳ではありませんが、犬の幸福度はジョージアはナンバーワンではないかなと思います。
近年「ペット先進国」という言葉がありますが、「ペット」という時点で基準が人間です。
何かに縛られることを嫌うジョージア人の国民性、他者を敬い感謝する宗教観など、様々な要因が重なって、ジョージアのアニマルフレンドリーさが生み出されていると感じます。
春の晴れた日は日向ぼっこをし、夏の暑い日はコンビニの入り口の前で足を広げて冷房のおすそ分けをもらい(誰も追い払わないのです!)、秋はやっぱり日向ぼっこをし、冬は街の人が置いてくれた古い布団や古着に包まって暖を取ります。
そして犬たちの自由と幸福の証として、ジョージアの道ばたには結構フンが。移住当初は大騒ぎしていましたが、今となっては慣れっこです。
たまに踏んづけてしまい、幸せのおすそ分けを受け取ってしまいますが、まぁどうせ土に還るからいいかーと動じなくなりました。フンのおかげで歩きスマホをする人はいません。
最近グッと暖かくなったので犬たちは今日もダラダラと寝ています。「生まれ変わるならジョージアの犬がいいなぁ」と私は今日も思うのでした。
それではまた、次回のコラムをお楽しみに!ნახვამდის(ナッホァンディス/さよなら! )
Written by 宮下なみ子(ジョージア)