マレーシア国境の街、ジョホールバルからこんにちは。土屋芳子です。
親しくしている中華系マレーシア人アラフォー(35〜44歳)の友人たちに、共通点があることに最近気づきました。
それは、「ほぼ働かずに人生を楽しんでいる」という点。
毎日自由時間がたくさんあって、お金もそれなりに持っていて、生活に余裕が感じられます。時間があるから行きたいところにすぐ行き、頻繁にプチ旅行をしています。
考えてみると、日本人の友人の中にこの生活パターンを送っているタイプの人はいないと思い、面白く感じたので書きたいと思います。
友人Aは、40歳になってから「もう雇われる人生は終わりだ」と会社員生活に見切りをつけ、定職には付かず、地味に好きなことをする毎日。
30代までは会社員として外資系企業に勤め、転職を繰り返すうちに増えた年収(同年代の8倍くらい!)で不動産投資を繰り返し、働かなくても不労所得で生きていけるようですが、たまに知り合いの会社に依頼されてビジネスセットアップのコンサルティングを手掛けています。
名刺も持たず、自分から肩書を名乗るようなこともしないけれど、圧倒的に高い専門的な能力で、ここぞというところではスムーズに商談をまとめ上げるのがすごい人。
「これからは自分のしたいと思うビジネスだけをする」と言います。
友人Bは、1年のうち3か月くらいだけ集中して働いています。高級クルーズ船の乗組員のマネージャークラスで、ヨーロッパ船などに3ヶ月勤務すると、マレーシアで残り9ヶ月を遊んで暮らせるほどの収入になるそう。
船に乗ればすぐにまとまったお金が稼げるという自信があるので、いつもはボランティアをしたり、あちこちに行って好きなことをして暮らしています。
友人Cは、ホスピタリティ産業の立ち上げの専門家。中国やベトナムやシンガポールでホテルやレストランが新しくニューオープンする時に呼ばれ、1〜3ヶ月間立ち上げの仕事をし、オープンして安定するとマレーシアの家に戻ってきます。
仕事のオファーはいつも口コミや紹介から。能力に自信があるので、安い仕事は受けないで、ここぞという仕事が出てくるまではのんびり暮らしています。
友人Dはマーケティングの専門家ですが、定職には就いていません。
ウェブサイトで趣味のコミュニティを立ち上げ、その管理人としての活動や、人々の悩みを聞いて解決し、お礼として報酬を受け取るというようなカウンセラー的なことをしています。
受け取るお金はそんなに大きくないようですが、人々の喜ぶことをしているということでの満足感を得て、生活をしています。
彼が人々を助けていることから、彼を助けてくれる人が周りにたくさんいるようで、好きなことを好きなようにする生活ができています。
彼らは全員すごく優雅で、内面的にも金銭的にも余裕がある雰囲気。知り合ったばかりの時は、なんで働かなくて生活できるのだろうと不思議に思っていました。
仲良くするうちに上記のような詳細を知ったわけですが、彼らには共通点があります。
共通点はというと、
・全員シングル。結婚はしてもいいししなくてもいいという考えなので、パートナーがいても家庭という枠で物事を考える必要がない。なので自由気まま。
・圧倒的に能力が高い。頭が良い。専門的分野でのプロフェッショナル。だから稼ぎたい時に稼げる自信がある。
・世の中の裏もオモテも知っていて、たまにくるビジネスの話に乗るべきかどうか見極める目を持っている。信頼できる人かどうかを見極める力もあるから、変な話に引っかからない。
・オープンマインド。海外で働く経験が豊富で、大体が子供の頃から英語教育をメインに受けてきているので、外国人に対しても隔たりなく付き合っている。だから外国人の私とも仲良くなれたんだと思います。
・人付き合いは柔和にとても上手にできるけど、芯の部分では自分一人で生きていける強さがある。
新興国でのエグゼクティブの稼ぐ金額は、一般の人のそれとの差があまりにも大きいので、少しだけ集中して働いて、あとはのんびりするということが可能なのでしょうか。
日本ならそこまで差がないでしょうから、こういうライフスタイルは難しいような気がします。
圧倒的に稼ぐ力があり、かつ、自分にとっての本当の幸せを追求すると、彼らのようなライフスタイルになるのかなと思ったりしています。
もし私が彼らだったら、稼げる時に死ぬほど稼ごうと思って、働きづめになっていそうだと思ったり。それが日本人の考え方とマレーシア人の考え方の違いでしょうか?
これは私の周りの人々のことでかなり主観的なことなので、一般的なマレーシア人に当てはまることではないかもしれませんが。
とにかく頭がよく経験豊かで、人生を楽しむことも知っている彼らと一緒にいると話が建設的でとても楽しいのです。いろいろと触発されます。
Written by 土屋芳子(マレーシア)