こんにちは!イギリス在住15年目のハリガン敬子です。北アイルランド人の夫と2017年生まれの息子と、ロンドン郊外で暮らしています。
勤務先は、ロンドン中心地にある美容整形外科クリニックです。患者さんに施術をするセラピスト業務をメインに、ドクターアシスタント、スタッフのシフト管理、備品や消耗品の買い付けと在庫管理など、さまざまな業務を担っています。
クリニックの同僚は、シリア、フランス、韓国、イタリア、ギリシャ、パレスチナ、レバノンなど、さまざまな出身地のメンバーで構成されていて、イギリス出身者は少数派。ロンドンらしい多国籍な職場です。
ミスが許されない医療現場で、良いサービスを保ち、クリニックに利益を出すために、慌ただしく業務をこなす毎日です。
職場の共通語はもちろん英語です。今でこそ言語が障害になることなく働けていますが、これは大学時代の留学経験のおかげと言っても過言ではありません。
今振り返ってみると、この留学が英語力を急成長させるきっかけとなったわけですが、その当時はまさか自分がイギリスで就職して、一日中英語しか話さない生活が来るなんて、夢の中の話だと思っていました。
実は私、イギリスに2回留学をしています。一回目は語学留学、二回目は専門分野を学ぶためのカレッジ留学です。
留学で得られるものは多岐に渡りますが、今回は最初の語学留学の中でも、特にこの経験を通して得た「英語への自信」と「正しい方向に向いた英語の勉強法」についてお話ししたいと思います。
私が初めてイギリスに留学をしたのは、就職先が決まり、大学の単位をほぼ取り終えた4年生の夏休みでした。
ずっと憧れていた海外生活の夢を叶え、自分の英語力を試すべく、渡英しました。滞在期間は8週間です。
その当時の私の英語は、英検二級レベル。これって、なかなか英語ができる部類だと思いませんか?
実際、学校の英語の成績はいつも良かったし、海外ドラマも好きでよく見ていたため、正直自分は英語が得意だと思っていました。
しかし、イギリスに来てみてビックリ。英語が話せないどころか、聞き取りすら思うようにできないのです。
語学学校のレベル分けテストでは中級クラスに配属されましたが、勢いの良いスペインやフランスからのクラスメイトに圧倒されて、授業中はニコニコと相槌を打つのが精一杯。
ホームステイ先で風邪をひいて、ホストマザーに「I have a sore throat」と訴えるも、自分の喉を指さして苦しそうな表情を作るまで理解してもらえませんでした。ショックと恥ずかしい気持ちでいっぱいになりました。
異国での生活は刺激的で楽しく、海外生活を送る夢は叶えられましたが、このままでは留学という名のホリデーに来たのと変わりません。
「英語が得意な私」ではなくなり、自信喪失していた矢先、同じホームステイ先に滞在していたインターン留学中のイタリア人のお姉さんが、一緒にDVDを観ようと部屋に誘ってくれました。
観たのは、映画『Love Actually』。たくさんの登場人物に早いストーリー展開、しかも字幕がないためほとんど内容が理解できず、「すごくつまらない映画だな」と思ったのを覚えています。
しかし、この時の出来事が私の英語の転機となったのです。
この映画がお気に入りらしい彼女は映画中のセリフをほとんど覚えていて、鑑賞中に登場人物そっくりにセリフをマネして、つまらなさそうにしている私を笑わせようとしてくれました。
その時、いつもはイタリアンアクセントが強くて聞き取りにくかった彼女の英語が、とてもわかりやすく耳に入ってきたのです。「これだ!」と思いました。
そこからは、映画やテレビで聞いて気に入ったセリフをフレーズごと丸暗記して、登場人物になりきったつもりで実際に使ってみる生活を始めました。
カフェや地下鉄で他の人のおしゃべりを盗み聞きして、「いいな」と思った話し方をホームステイ先でマネして話してみました。すると、相手に自分の言ったことが通じるのです。
『英語が使える私』の誕生です。
もちろん、魔法のように英語力が上がったわけではありません。しかし、すっかりしぼんでしまった英語への自信を取り戻すには、十分な経験でした。人間というのは、自信を持てた瞬間から一気に成長するものです。
その後『Love Actually』のセリフはほとんど覚え、私の一番好きな映画になりました。イギリスでは毎年クリスマス前になるとテレビで放送されますが、イギリス特有の言い回しやユーモアにクスッと笑う私を大学生の時の私が見たら、「信じられない!」と驚くに違いありません。
海外歴が長くなっても、いまだに毎日のように知らない単語や言い回しに出会います。
夫や同僚が使った単語を知らないのに、その場では文脈から分かったふりをして、後でこっそり調べて後日何食わぬ顔して使ってみる、なんてことは日常茶飯事です。
でも、知らないことを自分のものにできる方法を知っている私にとって、英語の壁を理由にできないことはありません。
英語の勉強は、留学しなくてもできます。留学経験なしで英検やTOEICのハイスコアを持っている人は多いでしょう。それでもせっかく英語を勉強するからには、「英語が使える人」になりたいですよね。
英語を使えるようになるためには、英語を話す人たちが作り上げた文化や背景を理解し、生活の中のささいな出来事からそれに気付ける力が必要です。
それを実際に肌で感じながら英語を学べる環境こそが、留学の一番大きなメリットではないでしょうか。
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Written by ハリガン敬子(イギリス)