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サッカーの本場ヨーロッパ、オランダサッカーママ・パパの実態

2023年9月29日
藤村ローズ (オランダ)

週4,5日以上の送迎や付き添い、海外遠征も

ヨーロッパでメジャーなスポーツと言えば、やっぱりサッカー。私が住んでいるオランダでも、とても人気があります。

オランダは特に育成に力を入れていて、ユース世代を育て、ヨーロッパのより大きなリーグに送り込むということもあり、サッカー少年少女には大きなチャンスのある国です。

我が家がオランダ移住することに決めた理由の一つも、「息子が思いっきりサッカーできそう」でした。オランダに来て9年目に入りましたが、その通り!私はがっつりサッカーママになりました。

オランダでは明らかに、サッカーママよりサッカーパパの方が多いです。7:3もしくは、8:2くらいの割合でしょうか。

トレーニングは平日の週3,4回、放課後早めの夕方に始まります。毎週末に公式戦があり、ホーム戦とアウェー戦が基本的に交互に開催、それがシーズン中の8月〜翌6月くらいまで続きます。

公式戦だけでなく、平日の夜に練習試合が入ることもありますし、プロを目指すような子たちは個別トレーニングを受けていることが多く、それにも送迎が必要です。海外遠征があることもあり、それにも数名の親が同行します。

ということで、オランダの標準的なサッカーペアレンツは、週4,5日以上の送迎や付き添いをしています。それに加え、食事・体調管理、コーチングなど、いくつもの役割をこなします。

 

サッカーパパ・ママの本業は?

フェイエノールト・ロッテルダムにてU19の試合

オランダに来た当時、他のお父さんたちがどんな仕事をしているのか不思議でした。専業主婦だった私でも、時間のやりくりは楽でなかったです。

仲良くなった親御さんたちに聞いてみると、さまざまでした。サラリーマン、自営業が多く、歯科医、警察、学校の先生、弁護士、ドライバー、芸能人など、本当に色々です。

あと、元サッカー選手というお父さんも意外といます。息子のチームメートや同じ学校・クラブに、有名クラブやナショナルチームの選手だった人が何人かいました。

日本でこれらの職業の人が「平日4時に子供の習い事に付き添いしている」と言ったら信じられないかもしれませんが、オランダではいたって普通の光景です。

サッカーママたちはどうかと言うと、パパたちよりゆるい関わり方の人が多く、パパが行けない日に送迎するような人が多いと思います。

ママは下の子担当でサッカーはサブといった感じで、小さな弟・妹を連れてくる人も多いです。シングルマザーだとそうもいきませんが。

子供一人のサポートでもなかなかですが、2人以上いる家庭も多いので、祖父母、兄弟姉妹、オペアさん(住み込みの学生お手伝いさん)などを総動員し、パパ友・ママ友と助け合って、なんとか回しているのが実情です。

 

それぞれができるサポートを進んで提供

サッカーペアレンツたちの雰囲気はいたって和やかで、だいたい同じチームの親たちが固まって応援します。自分の子供のポジション近くで見る人もいて、近いポジションの親と仲良くなりやすいです。

同じチームではいなかったですが、たまに子供の試合にムキになって大声を出す人もいて、そういう人はやはり白い目で見られるのでオランダではごく少数派です。

これは息子が地元の小さなチームにいた時も、今プロ契約を目指す子が多いチームにいても、あまり変わらないように感じます。

どの親ももちろん自分の子供を1番に応援していますし、活躍してほしいと思っているとは思うのですが、チーム全体を励ます声がけや他の子の良いプレイを褒めることも多いです。

でも、一旦褒めると、ポジティブに親バカが止まらなくなることもよくあります。自分の子供を堂々と自慢できる環境っていいですよね。

また、フルーツや軽食の差し入れをしたり、親が試合に来れない子を車に乗せるといったこともよくあります。

私は今年、チームのビデオ係をしています。以前から息子のために時々試合を撮影していたのですが、今年は全試合を撮影してYoutubeに上げています。

「チームペアレント」という役割があるチームも多く、コーチだけでは手が回らないサポートやシーズン末のバーベキューやパーティーを企画したり、コーチたちへのプレゼントを準備したりします。

このように、それぞれの親が自分ができるサポートを進んで提供することで、みんなが気持ち良く参加できるように感じます。

なかなか大変ではありますが、オランダでサッカーママを経験することができて、息子にとても感謝しています。

Written by 藤村ローズ(オランダ)

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