前編・中編では、シンタクラースについての概要をお伝えしました。
我が家では学校や人から聞いてきた方法でなんとなくやっている感じでしたが、改めて調べてみると、とても興味深い行事だということが分かってきました。
子どもにとっては一年で最高のシーズン、親にとっては少し大変そうであり、でもしつけに役立ちそう?
今回は、オランダの家庭でのシンタクラースの祝い方をご紹介したいと思います。
オランダのシンタクラース家庭内イベントは、11月中旬頃にシンタクラースがオランダに来てから、シンタクラースの日までなんと毎日続きます!
シンタクラースの日は、オランダ北部では12月5日(シンタクラースの日の前夜)、南部のローマカトリックの地域では12月6日(シンタクラースの日当日)まで。
子どもたちは毎晩寝る前に、靴を暖炉のところに置いておきます。暖炉がない場合はリビングルームでOKです。靴は本物の靴や、紙で靴型の入れ物を作ったりもします。
その靴の中にはシンタクラースへの手紙や絵、シンタクラースの馬に食べてもらうニンジンなどを入れておきます。その際にシンタクラースの歌を歌ったりもします。
すると夜中にズワルトピートがやって来て、それらを持って帰る代わりにお菓子やコインなどを置いていってくれるのです。子どもたちは朝起きると真っ先にリビングルームへ行って靴を確認し、お菓子やお金が入っていると大喜びです。
でも前日ちょっと悪い子だったりすると何も入っていないこともあります。そういう時、親は「今日はいい子にしようね」と諭したりするそうです。
子どもたちはシンタクラースからプレゼントがもらえるように、期間中は普段よりちょっといい子になるのもご愛嬌。子どもにとっては一年で最もうれしいシーズンです。これが12月5日まで毎日続きます。
そして12月5日の夕方、家族が集まり夕食後の団らんの最中、突然玄関のドアが乱暴に叩かれます。
子どもを連れて玄関へ行ってみると、そこにはもう誰もいません。そこにはただ麻袋が一つ置いてあるだけ。麻袋の口を開けてみると、たくさんのプレゼントが入っているのです!
ここで子どもたちのハッピー度はマックスに達します。
なかなかエンターテイメント性たっぷりの素敵なイベントではありませんか?
親は子どもに気付かれないように毎日準備するのは少し大変かもしれません。家族団らんの最中にドアをノックしてプレゼントを置いていく段取りもなかなか大変そうです。
でも子ども達は大喜びしてくれるし、いい子にもなるのではりきってしまうのが親心でしょう。
12月25日のクリスマス(Kerstmis)にやって来るサンタクロースは、オランダ語ではKerstman (ケルストマン)と言います。直訳すると、クリスマス男です(笑)
最後にオランダの子どもたちがよく歌うシンタクラースの歌をシェアしておきます。
オランダ語の勉強にもなるので、興味のある方はぜひ聴いてみてくださいね。
Written by 藤村ローズ(オランダ)