日本国内でどのくらいの情報が知られているかはわかりませんが、東南アジアの発展と勢いはここ数年で目を見張るものがあります。
中でも世界第四位の人口を抱え、資源国でもあり、国土も広い当地インドネシアは今、とても活気に溢れ、勢いに乗っていると感じます。
先月9月には、日本から岸田首相も参加したASEANサミットが首都ジャカルタで開催され、インドネシアは二年連続で議長国を務めました。
工業や食品産業などさまざまな分野で先進国からの進出が多いインドネシアですが、エンターテイメントの市場としても、その存在感が年々増しています。
私自身は長年K-POPファンをしていますが、2017年頃から韓国のアーティストがコンサートを開催する頻度や回数がものすごく増えた印象があります。
前述のとおり、世界第四位の人口を抱えるインドネシア、その数は3億人に迫ろうとしています。
ただ数が多いだけではなく、2023年度の平均年齢は29歳と、ポップカルチャーのマーケットとしてその存在感を強めている理由がわかる気がします。ちなみに日本は48.9歳なので、約20歳差です・・・。
9月に開催されたK-popアーティストのコンサートの様子。7万人収容可能なジャカルタ市内の大きなスタジアムが満席!
K-POPに詳しくない人でも、BTSという韓国のグループについて見聞きしたことがある方も多いと思います。なんとインドネシアは、BTSのファンの数が2021年に世界ナンバーワンになりました。
これだけの大きな市場が注目されないはずはなく、コンサートやイベントの開催や企業とのタイアップで、ポップカルチャーがどんどん参入してきています。
韓国のアーティストだけではなく、欧米からもColdplayやテイラー・スウィフトをはじめとする有名アーティストが頻繁にやってきてはコンサートを開催、数万人規模の観客を収容できる大きなスタジアムでのコンサーチケットはすぐに完売してしまいます。
同じアジアからも、最近世界で人気が高まっているタイの俳優やアーティストもほぼ毎月のようにやってきて、イベントやファンミーティングが開催されています。
そんな注目のエンターテイメント市場インドネシア、最近は日本からも注目されてきたようで、日本のアーティストのライブコンサートも増えてきました。
日本のポップカルチャーでは、今年七月に開催された藤井風とRADWIMPSのライブチケットもすぐに完売となりました。
同じく人気バンドのONE OK ROCKも、ライブ開催が決まってすぐ在住日本人の間ではもちろん、インドネシア人ファンの間で大変話題となりました。
ここで特筆すべきは、ライブやコンサートチケットの値段についてです。
日本のアーティストも韓国のアーティストのコンサートも、一番安い席でも日本円で1万円以上、一番ステージに近い良い席は3万円ほどします。Coldplayのコンサートにいたっては約十万円のVIPチケットも売られており、完売しています。
インドネシアの最低賃金は、首都圏でも月給約3~4万円です。インドネシア国民は1か月分の給料、もしくはそれ以上の値段のコンサートチケットを買って、好きなアーティストを観に行くのです。
韓国のアーティストのコンサートの場合ですが、日本では何十年もチケットの値上げがなく、むしろ若干下がったという話を最近聞きました。
賃上げもずっとしていないと聞きますし、コンサートチケットの話題一つからも、今の日本とインドネシアの若者の購買力と市場の勢いの違いが見て取れるような気がしてしまいます。
今後もしばらくは勢いが止まることがなさそうなインドネシアの成長について、またさまざまな魅力を発信していきたいと思います。
Written by 杏子スパルディ(インドネシア)