皆様、Selamat tahun baru! (あけましておめでとうございます)。インドネシア語で新年のご挨拶を♡
私は、インドネシアの外資・日系企業で14年間働いてきました。外資でも日系でも、そこはインドネシアの会社。職場の文化は、きっとコラムを読んでいる皆さんの想像を超えるようなことが多々あります。
今回は私が14年間働いてきたインドネシアの企業で見てきた、副業文化について書いてみます。副業というよりは、「物売り」の文化と言った方がいいかもしれません。
初めて就職したジャカルタの職場では、同じ部署の人が朝ごはんを売っていました。
ごはんものから、Gorenganと言われる揚げ物まで数種類のメニューが毎日売られていて、時にはレギュラーメニューではないものは希望者がいれば注文をとっていました。
この同じ職場の女子ロッカーで更に驚くことに、女性社員たちがたくさんの新品の女性用下着を広げています。はい、下着を売っていたのです。
ジャカルタで就職する以前から、インドネシア人たちとは付き合いがあったので、インドネシアのことを多少分かっていたつもりでいましたが、最初の職場でいきなり驚くこととなりました・・・。
その後転職した職場でも、いわゆるネットワークマーケティングといわれる類の化粧品販売をしている社員がいました。女性用アクセサリーを売っている人たちも。
ちなみに前述のように、食べ物を売っている人はどこの会社にも必ずいると言っていいでしょう。
その後転職した会社では、売られている商品のバリエーションが更に広く、さすがにもう一度驚くことになります。
どんなものが売られていたかというと、かなりの種類、しかも面白いアイテムも多いですが、思いつく限り書いてみますね。
パソコンやスマホの周辺機器(ケーブルや充電器など)、電話に使えるPulsaというクレジット、たばこ、ケーキ、朝ごはん・・・このあたりはまだ想像の範囲内かなと思います。
ちなみにケーキは、インドネシアではお誕生日の人が回りに食べ物をふるまう文化がありますが、そんな時にケーキを売っている社員に注文をしたりする人も多いです。
Pulsaと呼ばれる携帯電話のクレジットなんですが、これを売っている人は複数同じ会社にいたりします。
しかもクレジットを買うと「支払いは月末でいいから~」と言っておいて、月末に遅延料金を黙って上乗せしたりするということもありました。商売上手というのか、悪徳というのか…。
ここからは私がかなり驚いたアイテムなのですが、盆栽や花など植物を売っている人。
実はインドネシアはBonsai とそのまま日本語がアルファベットになった盆栽のファンが多く、愛好家たちがコミュニティを作っているくらいです。
植物を売っている社員に「甘くておいしいトマト」を私も勧められたことがあります。これを書いていて思い出しましたが、蘭の鉢植えをすすめられたことも!更に、天然のはちみつを瓶に入れて売っている人も。
そして最後に、私が今までで最も驚いた商品。
それは、鳥です!インドネシアには、各地に鳥市場があります。これらの鳥を飼っているのは主におじさまたち。
色がきれいなど見た目はもちろんですが、その鳴き声が重要で、きれいな鳴き声に高得点がつくコンテストがあるくらいです。
鳥は最初からきれいな鳴き方をするわけではないらしく、売っている人が、トレーニングをしてきれいな鳴き声に育て上げてから販売されます。
キレイに鳴く鳥の様子を撮った動画や、鳴き声を録音したものをwhatsappのチャットで送って見せて売っていました。さすがに職場に鳥は連れて来られないでしょうからね…。
ちなみにこの人は鳥かごのみの販売もしていて、鳥かごを背負ってバイクに乗って通勤してきたところを見たこともありました。
いかがですか?どれも日本では(ほかの国でも?)ありえないような職場での物売りたち。ユニークすぎる、インドネシアの文化です。
Written by 杏子スパルディ(インドネシア)