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現地日系企業で給与交渉をうまく進めるにはどうしたらいい?

2023年10月4日
岩井真理 (日本)

ベルギー在住40代のE子さんのお悩み

このコラムでは、世界中の読者から寄せられた仕事やキャリアに関するお悩みに対して、キャリアコンサルタントの岩井真理さんにご回答いただいています。

お悩みは随時募集していますので、お問い合わせフォームからご送付ください。

【相談】

ベルギー在住40代のE子です。昨年日系企業に入社して1年半が過ぎました。今では一人で独立して業務を回せるようになり、社内や顧客からも一定の信頼を得られていると思います。

年末に次年度の給与交渉の機会がありますが、去年は初年度ということもあり、何も交渉しませんでした。

今回は交渉をしてみたいと考えていますが、どのように進めたらいいのかよく分かりません。

自分としては、今の業務だけでなく、前職でやってきたITツールを活用してマネジメントのアシストができると考えているのですが、社内にそのようなポストはなく、必要とされているかも分かりません。

今担当している業務は自分的にかなり楽なので、決まった仕事だけしてプライベートに時間とエネルギーを費やすのもいいですが、給与が上がるならもっと頑張りたい気持ちもあります。

給与交渉をうまく進めるためにアドバイスをいただけませんか?

 

給与交渉のポイントは主に二つ

【キャリコン真理からのお返事】

E子さん、こんにちは。世界中どこにいても輝けるキャリア&ライフを応援する真理です。まずはこの1年半、お疲れ様でした。色々ご苦労もあったかと思いますが、よく頑張られましたね。

年末には次年度の給与交渉の機会があるとのこと、入社以来のパフォーマンスに対して評価を受けるのは緊張しますが、客観的に見てもらうチャンスですね。

給与交渉のポイントは、主に以下の二つです。

①会社への貢献度を示す(できれば数字で)
②将来性をアピールする

まず、この1年半でE子さんが具体的に会社に対して何ができたのかを整理してみましょう。できれば数値化できるとよいのですが、営業職でないと難しいでしょう。

そこで、E子さんが担当した業務が、以前よりどれくらい時間短縮されたとか、単位時間あたりの処理が捗ったとか、それらも数字になります。

また、以前はなかったやり方を導入したり、改善して、その結果業務がスムーズに回っていることなどがあれば、それも貢献したことになりますので、具体的にアピールしても良いでしょう。

そして、「社内でも顧客からも一定の信頼を得られている」とのことですが、これも具体的にどんな場面でそう思ったかを伝えるとよいと思います。

「お客様からこんな感謝の言葉をいただいた」とか、「同僚からこのようなコメントがあった」などを交えると、よりわかりやすいですね。

 

質問された時に「会社視点」で発言できるよう

今回は会社がその場を設定しているので、E子さんへフィードバックがあると思います。E子さんのアピールポイントが、会社にとっても求めていることかどうかを見極める必要もあります。

面談で質問された時に「会社視点」で発言できるように、多角的にこれまでの1年半を振り返ることをお勧めします。

今後のことについても、E子さんがやってみたい「ITツールの活用やマネジメントのアシスト」についてご提案するなら、場面想定込みでお話してみるとよいでしょう。

以前にもそれらのスキルがどのように役に立ったか、客観的具体的に説明できるようにしておきましょう。

さらに、自分サイドで考えられるタスクのみならず、会社からの要求も柔軟に受け入れる準備ができていることをお伝えになった方が良いですね。

それから、交渉前に確認しておきたいことがいくつかあります。

・評価基準が明確になっているか?
・現地同業界の平均的給与が把握できるか?

御社は、昇給や評価の基準が明確になっていますか?ローカルスタッフだけでなく、日本人スタッフにも規定がありますか?

総務・人事、または先輩などからヒアリングするのもよいでしょう。合わせて、ベルギーの同業で働く日本人の平均的給与も、交渉材料の目安になりますね。

とはいえ現地採用の場合、日本国内の体系ほど明確でない場合も多いので、パフォーマンス次第では、逆に交渉しやすいと思われます。誰が見ても納得するこれまでの働きを、整理してしっかり伝えましょう。

 

いよいよ金額の交渉

今後の役割について確認をしたら、いよいよ金額の交渉ですね。こちらも以下の2点を押さえておきましょう。

①金額は、幅を持たせて交渉する
②福利厚生で対応

昇給金額は上がれば上がっただけ嬉しいですが、「『いくら』上げてほしい」とハッキリ伝えた方がよいでしょう。

たとえば月200ユーロアップを望んでいるとしたら、交渉時には幅を持たせて「300ユーロ上げてほしい」と伝えます。

そのまま300ユーロ上がれば嬉しいですし、要求通りでなくとも、元々の目論見である200ユーロは確保できるかも知れません。

何度も言いますが、その金額を示す根拠を明らかにすることで、交渉がスムーズに進むことは間違いありません。

だからと言って、交渉したら必ず昇給するわけではありません。そこで、給与自体をアップすることを断られた場合、福利厚生面での見直しを要求するのも一つの方法です。

給与は据え置きとなっても、住宅手当とか資格手当などで確保すれば、実質上の給与アップとなります。

ここまで、給与交渉をうまく進めるためのポイントをお伝えしてきました。

交渉は「タイミングが何より大切」といわれますが、当日は物おじせずに、これまでE子さんが頑張ってきたことについて、堂々と主張しましょう。

基本は「会社の発展に尽力したい」という気持ちを、ご自分の言葉で穏やかに伝えて下さいね。E子さんの健闘を祈ります。

Written by 岩井真理(日本)

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