タイの首都バンコク。東南アジアではシンガポールの次に都会だと感じます
前回のコラムでは、東南アジアで暮らす、働く3つのメリットについて、私なりに感じることを書いてみましたが、今月は反対に、3つのデメリットを挙げてみたいと思います。
前回書いたように、東南アジアは今がちょうど経済成長期ということもあり、国によって程度に差はありますが、インフラ面についてはまだまだ未整備な部分が多いです。
例えば道路ですが、私の住んでいるベトナムを例に挙げると、季節が雨季と乾季に分かれており、雨季には大雨が数時間降り続くこともしばしばあります。
そうなると、道路の排水機能が整備されていないために瞬く間に冠水し、下手をすると車やバイクが通行不能になります。
そして、東南アジアは車社会の国が多く、地下鉄、トラム、モノレールなど、中・近距離の公共交通が日本やヨーロッパのように発達していません。 (シンガポールを除く)
路線バスのある国は多いですが、治安面で少々危うさを感じますし、渋滞も多くて利便性が良いとはあまり言えません。
私の住むホーチミン市も路線バスのみで、現在メトロが建設中ですが、運行開始予定は2024年の7月、しかも1路線のみです。
旅行で訪れたタイ、マレーシアについても、首都バンコク、クアラルンプールとその近郊までは比較的簡単に移動できますが、首都圏から離れてしまうと、一気に移動手段が限られてしまう印象でした。
コミュニケーションの問題には、言語の問題と、文化(国民性など)の2つの問題があると思います。
まずは、言語の問題。現地の人達とコミュニケーションを取ろうと思った時、現地語ができるならよいのですが、そうではない場合はたいてい英語で行うことになります。
公用語が英語であるマレーシア、シンガポールであればあまり問題ないですが、それ以外のタイやベトナムなどになると、必ずしもみんなが英語ができるわけではなく、ましてやジャパニーズイングリッシュで話してしまうと、相手に伝わらなかったりします。
しかも東南アジアで話されている英語は、どの国であっても母国語の影響を受け強く訛っており、さらには母国語の文法ともミックスされた、本来の英語からはかけ離れた言い回しをすることも多いです。
シンガポールのシングリッシュが分かりやすい例かと思います。
そのため、リスニングにものすごく苦労したり、お互いの言葉がたどたどしいものになりがちで、言った言わない、解釈が違っていた、というような行き違いも度々起こります。
この点についての対応策は、一度日本で学んだ英文法を捨てて、彼らの英語に合わせてみること、簡単な文法かつ短い文章で話す、書くことです。
そして、文化(国民性)の違いについてですが、ベトナム人に限って言うと、何か失敗してしまった時に謝らない、なぜこうなったのか言い訳から始まることが多いです。
失敗の原因を探り、次回以降の再発防止策をあまり考えている様子はなく、「事情があってこうなったから見逃してくれ」と言わんばかりに、情に訴えることが解決策だと思っていたりします。
「それは解決策になってないよ」と伝えても、プライドの高い彼らは簡単には耳を貸さないので、延々と彼らの言い訳が続きます。
この点に関しての私の対応策は、あまりに言い訳の多い相手には何も依頼しないこと、彼らが失敗しても絶対に一緒になって尻拭いをしないことです。
また、行政サービスや法律なども曖昧で、きちんとルールが定められていないことも多く、お役所仕事に異常に時間がかかることも大きな特徴です。
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