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「日本人としてどう生きるかの答えはここにある」超葉隠論 執行草舟著

2022年4月18日

日本人として生きるとはどういうことなのか

ボンジュール!ベルギー在住のART OF ZEN流生活を送っているホーゲデウア容子です。

私は海外に本格的に住み始めて、20年以上になります。皆さんも海外にいて、日本人として生きるとはどういうことなのか、一度は考えたことがあるのではないでしょうか?

海外にいるからこそ、海外経験したからこそ、考えたい日本人としてどう生きるかの答えは、ずばり、この『超葉隠論』にあるかもしれません。

私は常に考えてきました。高校、大学とプロテスタントの学校へ通っていたので、カソリック、プロテスタントの違いなども少しは理解していましたが、現地で理解することはまた違っていました。

海外在住になってからは、現代の宗教が実際、習慣としてどのように残っているのかも興味深く学んできたつもりです。

キリスト教を主とする西欧文化の中にいる日本人として、日本人らしく、しかり、現地でも馴染んで、どのように一人の人間として生きるのか、一人の女性として、母として、どう生きていくことが、重要なのかを考えさせられてきました。

海外移住の際に新渡戸稲造の武士道の本をプレゼントされて、武士道を知っておくことがいかに大事かを考えさせられ、初めて日本人を意識し始めた本でもあります。

この本は外国人向けに、日本の武士道とは何たるかが説明された名著です。手に取ったこともある方も多いのではないでしょうか?

数多くある武士道の本の中でも、この『葉隠』は特別です。何しろ日本でさえ、当時、武士道の本の中でも、禁書の扱いを受けていたのだから!それくらい、革命的な力があるということ。私にもその革命的な力が伝わってきました。

思索編とインタビュー編で構成されたこの本。思索編では本質論が深く書かれており、インタビュー編では現代にどう生かせるのかが分かりやすく書かれています。

遠い昔の武士だけに必要な本ではなく、個人個人がこの生き方をヒントに生きていける、動かされる本。特に葉隠から抜粋された十戒は、海外にいる私に響いてきて、あらゆる生活の場面で生かせるのです。

葉隠の有名な言葉「武士といふは死ぬ事と見付けたり」は、「要は本気でやってみる、ただそれだけのことなのだ」という死生観。

決して平和な日々だけではないけれど、このことを胸に刻んでいればそう恐れることもないだろうと勇気が出ます。

第三戒「図に当たらぬは犬死などといふ事は、上方風の打ち上がりたる武道なるべし」は、佐賀藩だった山本常朝の言葉らしく、都会の格好つけた成果主義を嫌ったものです。

古今東西、成果主義はあったようですが、「得をして、無駄をなくして、近道で成果を出そうと思うな」と釘を刺しています。これは無我夢中で頑張る中でしかわからないこともあるということ。

「成果が出なくたっていい、やっているうちに見えることがある」そう思えば、前向きに進むことができるのではないでしょうか。成果主義の傾向が強い西欧文化にあっては、特に心しておきたいと胸に刻んでいます。

また、第十戒「同じ人間が、誰に劣り申すべきや」からは、身体的にも育った環境も違って同じ土俵に立てるのかと、怯むような場面でも、同じ人間だと思えばそう怖くもないし、同等の位置から物申すこともできるのではないでしょうか。

これだけでも、心しておけば、気構えも違ってくると思います。

朱子学としての武士道とは全く違い、禁書であった『葉隠』。山本常朝一人の自己の鍛錬を綴ったものです。それは成功を求めない、ただ自己の魂の鍛錬だけに生き、そして死ぬ。それ以外に意味はないと説きます。

執行草舟氏の『超葉隠論』の思想には、未来へ向かって生きる人間へのメッセージがいっぱいです。読んだ方は、何かに向かって走り出すに違いないと感じる名著です。ぜひ手にしてみてほしいと思います。

表千家講師、こんまり流片付けコンサルタント。8カ国9都市経験中、恐怖の引っ越しから、楽しみの引越へ。片付けは、ただの片付けにあらず。片付けの凄さを伝授中。

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Written by ホーゲデウア容子(ベルギー)

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