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コロナ禍転じて空を飛ぶ!233メートル61階から人生初のバンジージャンプ体験記

2020年5月29日
周さと子 (マカオ)

や、やばい、これはやばい!!!!(泣)

いよいよ、ハーネスをつける。

装具の重みを感じてだんだん緊張してくるが、フロアに流れている音楽がヘビメタ系ロックなので、その影響もあってか前向きな興奮に変わっていく。宙刷りの人形を見ながらはしゃぐ余裕がまだある。

そして、いざバンジーブースへ。

スタッフのお兄さんたちが、超明るいテンションで迎えてくれる。

にこやかに「出身どこ~?」とか「どんな気分?」など聞きながらがらサクサクとGoProカメラやらワイヤーやらを装着してくれる。

内側を向いた椅子に座ると、カメラ担当のお姉さんがこれまた笑顔でバシバシ写真を撮ってくれるが、このあたりで再度足がざわざわしてくる。

「バウンス終わったら、足の固定を解く紐を引っ張って頭を上にもどせるよ。無理だったらそのままでいいから」という言葉を聞くころには、胃もざわざわし始めた。

こんなときは呼吸法だ。鼻から吸ってゆっくり吐く。呼吸の合間に「大丈夫、大丈夫」と独り言を繰り返す。

ぶつぶつ言ってる私に気づいた夫は「ワイヤーばっちりだから!全然安全だから!」と励ましてくれたが、正直耳に入ってこない。

「オッケー!じゃあ行こうか~!」とテンション高く促され、進んだジャンプ台のその先には、、、、

そ、空しかない!!

おおおおおおおおおおお~~~~~!!(泣)

や、やばい、これはやばい!!!!(泣)

一瞬で足がすくみ、思わず左手でお兄さんの手首を握りしめる。

慣れたと思っていた景色とは臨場感が全然ちがう。瞬間的に「下を見てはいけない!」と悟った私は、大きく深呼吸して前だけ見つめる。

前に広がるのは絶景だが、何も考えられない。考えてはいけない。心を無にするのだ!

右側のお兄さんが「もうちょっと前よ~」と優しくリードしてくれるので足を動かすが、どのくらい進めばいいかはわからない。下向いたら怖さで死んじゃいそうだ。

先端に立ったあたりで「右むいてフォト~!」と言われて、急いで笑顔を作るけど頬がめちゃくちゃ強張っていてうまく笑えない。

フォトタイムを終えると左側のお兄さんが、私が握りしめていた手を優しく外して肩の高さにあげてくれた。両手を大きく広げた体勢になる。

時は近い。。。深呼吸をしながらまた心を無にする。

 

ついにジャンプの瞬間、そして意外な感想

ついにカウントダウンが始まる。テンポが速い!勢いをつけないと、やっぱり無理!と怖気づいてしまう人もいるのかもしれない。

かけ足の「5・4・3・2・1」を聞きながら、「やばい!!」と「飛べる!!」が入り混じった私の頭の中。

「Go!」と言われて恐怖のあまり「わ~っ!」と叫びながら体を投げ出す!

それはまるで、ジェットコースターの頂上から落ち始めたときと同じ感覚。スローモーションから急にスピードマックスになるあの感じ。

すごい速さで落ちている!怖い~!!!同時にジェットコースターで感じるお腹に「うっ」と来る強い浮遊感もある。

3秒ぐらい過ぎたあたりで、エアーマットの233Mの文字が目に入る。

その途端「私は飛んだのだ~!」と急に楽しくなる。脳内でアドレナリンが大量にでちゃったのかな。叫び声が笑い声まじりになる。

でも次の瞬間、足が震えていることに気がついて「この震えが原因で足ひもからスルッと抜けたらどうしよう、真っ逆さまに落ちてしまう!」と再び恐怖を味わう。

ワイヤーで繋がれてるので、そんなことあるわけない。でも233メートルの高さから落ちているときに、人は思考なんてできないのだ。

ドキドキ、ガクガク、アハハハハと様々な感情をミックスしまくった1分後、ゆっくりエアーマットの上に下されている途中であることが分かった。

体勢を戻すために黄色い紐を引かなくてはと、体を起こして紐を手繰りよせようとしたが、全然力がでない。なので早々にあきらめた。そして、私は逆さづりのまま無事着陸したのだった。

マットの上に到着してから「カメラに手を振って~!」とスタッフのお兄さんに言われるのだが、脱力していた私はカメラがどこにあるのかも良くわからずに適当に手を振った。

ハーネスを外して、マットから下りても私の足は震えていた。

筆者がバンジージャンプを経験したマカオタワー

その5分後、夫も逆さづりで下りてきた。(笑)彼は紐がどこにあるかわからなかったんだそうだ。(挑戦される方は紐を引っ張って体勢を戻すことをお忘れなく!逆さづりは頭に血が上っちゃうし、なにより見た目がかっこ悪いからね!)

その後、二人で感想をいいつつ61階へ再度戻り、着替えて荷物を受け取ったころには、すでに登録したメ―ルアドレスへ自分のバンジージャンプの写真とビデオが送られてきていた。仕事、早っ!!!

ビデオはテレビ番組の編集みたいな出来だったので、その日は何度も何度も繰り返し見てしまった。

ビデオを見た友人達からは「きれいに飛べたね~」の感想をもらった。

イメージトレーニングの賜物と言えればどんなに良かったろう。実際は、足がすくんだまま、お兄さん達にゆっくり腰を押され、そのまま空へ身を投げた結果である。

終わった後は、すごいハイテンションになるかと思っていたけれど意外とそうでもなかった。数時間、足と胃がざわざわし続けていたから、体は思った以上にストレスを感じていたに違いない。

それでもバンジージャンプを終えた感想は「やってみてよかった!」である。

あんな恐怖に対面する機会も、そしてそれを乗り越えたと思う満足感も味わう事ができて、少し自信がついた感じだ。

それに、呼吸法が恐怖に対しても非常に効果を発揮することを発見できてよかった。

またやりたいかと聞かれたら「一度で十分です」と即答しますけど。

Written by 周さと子(マカオ)

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