皆さん、こんにちは。ブラジルサンパウロ州に住むMariです。
前回のコラムでは、首都リマを出発して海沿いのパラカス、内陸のイカ、砂漠のワカチナへ立ち寄り、ナスカの地上絵を見に行きました。
ここまでも盛り沢山でしたが、いよいよマチュピチュ(Machu Picchu)が待っています。
ナスカの地上絵を訪れた後は8時間ほどかけて一旦リマへ戻り、翌日リマからクスコへ飛行機で移動です。
その日のディナーは、伝統的なフォルクローレショーを見ながらいただきました。アンデスの異国情緒あふれる見事なショーでした。
たくさん移動して疲れた体を早めに休ませ、明日に備えます。しかし!今夜はやっておかねばならない、大切なことがあります。
それは「高山病対策」です。明日は飛行機でクスコ(Cusco)へ移動し、そこからは標高が高くなります。
マチュピチュ自体は2430mの断崖に立つ天空の要塞ですが、その中継点の街クスコはさらに高く、3400mの髙地に位置するので、万全の対策が必要です。
アンデスの異国情緒あふれるフォルクローレショー
基本的な対策としては、
①睡眠 ②こまめな水分補給 ③ゆっくり歩く ④深呼吸 ⑤食べ過ぎ注意 ⑥アルコールは控える
と言われていますが、加えて「あらかじめ薬を服用しておくこと」をオススメします。
薬は出発前に、日本ならダイアモックスという薬を準備することができますが、これは処方箋が必要です。ブラジルで処方してもらった薬を服用している方もいましたが、結論から言うと、薬は現地調達するほうがいいでしょう。
繁華街のホテル近くには夜遅くまで開いているドラッグストアがあり、1粒から売ってくれます。この市販薬の方が他国の薬より効く=強いのです。
私も泊まったホテル近くの薬局で、マチュピチュ遺跡へ行く当日までの2日分(1日3回食後)を入手しました。加えて、現地の人が言うには、コカ茶やコカキャンディが高山病予防に良いらしいのですが~
コカって、あのコカ?そう、日本なら違法になるあの植物ですね。ペルーでは、普通にホテルのビュッフェに並びます。
中国茶(プーアルや鉄観音)に似た味で、これからマチュピチュ行くなら飲んだ方がいいと言われ、水筒にも入れてくれました。キャンディに至っては、お土産物屋さんのレジ脇でも売っています。
日本は勿論、ブラジルへも持ち込み禁止ですから、お土産としては買えません。でもここでならと、お茶をガブガブ、キャンデイペロペロ。
「もし今ドーピング検査したら、ひっかかるかなぁー」などと言いながら、リマから飛行機でクスコへ向かいました。
左上:クスコの街並み、左下:サントドミンゴ教会、右:よく効く現地の高山病予防の薬
1時間ちょっとのフライトでクスコの空港に着き、ガイドと合流しました。遺跡へは公認ガイドがいないと入場できないので、ブラジルから出発した7人グループで行動します。
またここでやらねばならないことがあります。それは荷物の詰め替えです。
今夜は遺跡の麓にあるマチュピチュ村に宿泊するのですが、そこへ向かう列車に持ち込める荷物は、最大5キロまでという制限があります。
リュックなどに2泊分の荷物をまとめ、大きなスーツケースはクスコのホテルに預けます。クスコはマチュピチュへの玄関口で、ホテルは宿泊を伴わない旅行者の荷物を預かることでも収入を得ています。
クスコ市内周辺には見るべきものが沢山あるので、荷物はドライバーに任せ、私達は観光へと向かいました。気温は少し低めですが、お天気が良くて何よりです。
クスコはインカ帝国の首都として栄えましたが、16世紀後半にスペイン人が来て沢山の建物を破壊してしまいました。
その後、コロニアル建築と巧みなインカ時代の石組が融合する街として、1983年に世界遺産に登録されました。
この街にも、アルマス広場があります。広場とカテドラルをまず作るのが、スペインが征服したことの証です。
スペイン征服の証、アルマス広場とカテドラル
ひときわ目立つのがコリカンチャ(黄金のある場所)と呼ばれていたサントドミンゴ教会(Iglesia de Santo Domingo)です。インカ時代の神殿の土台の上にスペイン人が教会を建てました。
神殿を飾った黄金は持ち去られていますが、その面影から当時の華やかさが想像できます。インカ時代の加工技術の高さを示す12角の石には、目を奪われました。
クスコは坂道が多く標高も高いので、とにかくゆっくり歩かねばなりません。
街はまるで古いヨーロッパのよう、映画のセットの中にいるようです。ゆっくりと呼吸をしながら街歩きを楽しみます。
(次ページへつづく)